2011年10月14日に発売された、新しいiPhone4S。ネットメディアはもとより、テレビや新聞でも大きな話題となっています。発売からさかのぼること3日前、筆者は名古屋に出張していたのですが、その際に会ったiPhoneユーザーの友人(40代女性)がこう言いました。
「iPhone3GからソフトバンクのままでiPhone4Sに乗り換えると、残りの割賦払いが免除されて、さらにiPad2がタダで貰えるんだって!」
四十路主婦にはiPhoneだけで十分
筆者はauユーザーということもあり、auからiPhoneが発売になることだけで舞い上がっていたため、ソフトバンクのキャンペーンについてはまったくノーマーク。さっそくガラケーで調べてみると、10月7日にすでにキャンペーンの内容は発表済みでした。
日本のケータイ料金、またはケータイやスマホのキャンペーンの仕組みは複雑怪奇なので、よく「IQテスト」といわれます。
今回の乗り換えキャンペーンも例に漏れず、額面どおりに鵜呑みにはできないようですが(分割支払金と月月割が同額なので、差し引きタダに見えるが、3G接続料がゼロでも分割支払金の1860円はかかる)、一定の3G接続を行う人に限っては「乗り換えで実質的にiPad2がついてくる」と考えることもできそうです。
「だけど、それでも迷ってるのよね…」
いったい何を迷うことがあるの? すると、一緒にいた別の共通の友人(40代女性)が口をはさみました。
「だって、iPhoneがあればiPadいらないんだもん。もらったところで、使いように困るのよね」
原稿を打ったり、客先でプレゼンをするわけでなし、家にはデスクトップPCがあって別に不満はない。
ウェブのブラウジングやメールをやり取りする、音楽を聴く、スケジュールを管理するといった、四十路主婦にとって日常に必要なことは、すべてiPhoneがあれば十分なのだそう。
「iPhone4Sになってカメラの性能が上がって連写ができるとか、処理スピードが上がったとか魅力はあるし、iPhoneを使い慣れてるから欲しいとは思うんだけど…」
「お豆腐とお揚げを見切り処分してる感じ」
じゃあ、とりあえずiPad2も契約しておいて、自宅でデジタル画像のフォトフレームにしておけば?
「なんで、そんなもったいない使い方しなくちゃならないのよ!」
なら、ダンナさんや子どもにあげれば?
「ダンナだってiPhoneだけで十分って言ってたし、小学生の子どもに渡したってゲームするぐらいじゃない。まだ早いわよ!」
どうにも、iPadが生活のなかで浮いてしまうのです。
共通の友人曰く、スーパーが閉店間際に「お豆腐とお揚げをニコイチ(2つを1つにセットした抱き合わせ)にして見切り処分してるみたいな感じ」なのだとか。
「本当はお豆腐だけ必要なんだけど、ニコイチの方が得だからお揚げも一緒に買っちゃうの。だけど、そのために予定になかったお揚げを使った献立を、わざわざ考えなくちゃならないっていう、ね。それがメンドクサイ、と(笑)」
主婦目線からすると、そう見えちゃうんですね…。ものすごーく意外でした。
専門家は共通してiPhone4Sは買いだと言います。アプリの信頼性もあって、とりわけスマートフォン初心者には入門機としてオススメとのこと。
ソフトバンクの販促キャンペーンは新規契約でも適用されるようです。とはいえ、奥さんに「iPad2もつくから買い換えようよ」といっても、「何に使うの?」となかなか通らないことも覚悟しておいた方がよさそうです。
井上トシユキ