Q&AサイトのOKWaveに、こんな相談が載っていました。質問者のclear2831さんは30歳の女性。勤め先では30歳以上の営業部員は、月1回の社内研修を受けなければなりません。
会場は、柔道場のような畳の大広間。3人の講師が1時間ずつ、合計3時間の講義をするのですが、足がしびれてしまって話の中身も頭に入りません。
「足を楽に」で男性だけあぐらをかける
最初のあいさつが終わって「足を楽に」と言われると、男性社員はあぐらをかくなど姿勢を崩すことができます。しかし女性は正座のまま。
姿勢も「背筋を伸ばしてアゴを引き、視線をやや前方に落とす」「両手を重ねて太ももに置く」「足指を重ねる時は右が上」と細かく決められ、守れないと名指しで注意されます。
周囲の先輩OLは「女性は和室では正座が基本」「研修で正座力を鍛え、精神力を養う」と言って座っていますが、質問者さんには疑問です。
「足がしびれて痛くなったら、少し崩して座れる雰囲気が欲しいのですが。研修の場では甘いのでしょうか」
この質問には、「日本女性が床に座る姿勢でいちばん美しく見えるのが正座」と考える呉服業界で働く人からのアドバイスがありました。
「何の営業か存じませんが、商談の途中で足が痛くなったからって足を崩せますか? 女性であれば男性以上にみっともない印象を与えてしまいます」(teraphoneさん)
さらに、質問文の中で「あたしが勤務する会社では…」「あたしも30歳になりまして…」と書いている部分に忠告が入りました。
「公の場では『私』『わたし』と書くべきです。正座の質問云々の前に社会的マナーの欠けている女性に思えてしまいますので、ご注意を」
これには質問者さんも、ぐうの音も出ません。「行き届きませんでした。ご指摘ありがとうございました」とお礼を述べています。
「正座力」養うのは女性だけなのか?
しかし、女性だけが長時間正座を求められる仕事場が存在するものでしょうか。dsdnaさんは、あえて「フェアじゃない」という意見を寄せています。
「男性だって和室では正座が基本です。研修を和室でない場所ですればいいだけです。また、男性は正座力を鍛えなくていいのか、精神力を養わなくていいのか。精神力を養う方法は正座しかないのか、という反論ができます」
質問者さんは、この意見に賛同しつつ、公正さを追求して「男性も同じように正座させる」のではなく、あくまでも「女性の正座の厳しさを減らす」方向で考えたいと言っています。
neKo_deuxさんは、パワハラや男女差別の視点で労働組合に相談する道を示しつつ、「合理的な根拠、話の道筋を立てるのが面倒かも」と半ばあきらめ顔。
「お尻に敷く正座椅子の使用を許可してもらうとか、しんどい分は休憩時間を増やすとか。それ以前に、会議室なんかがあるのなら、椅子を使うのが無難ですが」
しかし、先輩OLたちが「正座力を鍛える」と言って平気で座っている限り、会場を移す主張が認められる可能性は低いでしょう。ここは慣れるのを待つか、膝が悪いなどと言って個人的に免除してもらうしかなさそうです。