「ネットで紹介されていたアプリを使って、自分の仕事場周辺にある無線LANの基地局を調べてみたんです」
都内でIT関連の会社に勤めるAさんが言いました。スマホはもちろん、タブレットPC、ガラケー、携帯ゲーム機の「全部持ち」。無線LANにお世話になることも多く、ネットで記事を見る前から気にはなっていたのだそうです。
「場所が都心だけに結構あるんじゃないかとは思ってましたが、調べてみてビックリ。6つも拾ってきていたんです。そりゃあ、接続も不安定になるな、と」
「つながりにくさ」緩和に密かな期待
通常、無線LANのアクセスポイントは3つまでが適正と言われています。その倍の数値が示されたということは、無線LANが混雑していて、どこにアクセスすれば良いのか、アプリが迷っているということにほかなりません。
Aさんが勤めているのは、社員10人ほどの小さな会社で、ほぼ全員が全部持ち。全員が一斉に無線LANにつないでいることはほとんどないものの、複数人が接続している状況は十分にあり得ます。
「外出している人もいるし、会議や書き物をしていたりデスクトップPCでの仕事がメインの人もいますから、全員で無線LANにつないでいることはないと思いますが。それでも、遅いなって思うことが多いですね」
仕事場だけに、勤務時間中にさすがにオンラインでのゲームはしませんが、スマホやタブレットPCでネットにつなぐことは、むしろ頻繁にあります。
なかなかつながらない、接続が切れる、速度が遅いというのは、イライラの原因にもなるし、仕事の効率を悪くする原因ともなってしまう、とAさん。
「スマホやタブレットPCが今後増えることはあっても減るとは思えないし、現状の無線LANに取って代わる回線網もそのうち出てくるでしょうから、スマホやタブレットPCで無線LANを使うのなら、しばらくは我慢するしかないんでしょうねえ。それで別件で思ったことがあるんですけどね…」
別件とは、未確定ながら最近話題の「KDDIがiPhoneを扱う」というニュースについてでした。
「auがiPhoneを扱うのって、実はソフトバンク的にも悪いことばかりでもないんじゃないか、って。爆発的に増えたiPhoneユーザーが、何も考えずにあちこちで3G回線や無線LANにつないでて、それで回線の容量がパンパンになり、ソフトバンクは遅い、つながらないなんて言われちゃってる面もあるわけでしょう。それが一部でもauに分散されるんだから、今度は逆にソフトバンクは速くなったってプラス評価が出てくるかもしれませんよ(笑)」
人間万事塞翁が馬とはいいますが、たしかにそれもあるかもしれませんね。
井上トシユキ