いつの間にか、学生や社会人の間で普通に使われるようになった「ブラック会社」という言葉。しかし今のところ、明確な定義があるわけではありません。いつか国語辞典にも載るときが来るでしょうか。
Q&AサイトのOKWaveに、こんな相談が載っていました。質問者のpoyo3さんによると、今の勤務先が、いわゆる「ブラック会社」。離職率は年20~30%で、平均勤続年数も6年弱。社内の組織はメチャクチャで、「経営者のおもちゃ」みたいな状況なのだそうです。
「ブラックな取り巻き」と疑われる?
一方、同業他社には堅実な経営のところも多いことから、質問者さんは転職を試みることに。ある会社に面接に行くと、今の会社に関する質問がありました。「従業員の年齢層は?」「同期の転職状況は?」などと聞かれたのだそうです。
質問者さんは、普通の面接でもそうなのかと思いつつ、「何か今の会社の噂が伝わっているのかな」と感じました。やはりブラック会社に勤めていた人間は、それだけでも警戒されるのか。転職に影響はないのだろうか…。
回答者のyosifuji20さんは、転職に「多少の影響はあるかもしれませんが」として、こんな可能性について説明してくれました。
ブラック会社は「ブラックな人」で成り立っているが、それは必ずしも経営者だけでなく、同じような人たちが取り巻きにいるのが普通。採用側としては、求職者がそんな「ブラックな人」かどうか警戒するだろうということです。
「あなたがそのようなことには加担しなかったのならば、堂々とそれを話したらよいでしょう」
自分の業績や能力に自信があるのなら、「在籍した会社の評判は気にしても仕方ありません」と助言しています。逆に言えば、転職先もブラックならば、前職での「武勇伝」は高く買われることになるのでしょうね。
意欲をアピールする「鉄板ネタ」にするか
一方、回答者のkazspnさんは、転職に「影響はしない」と答えています。現職の状況を尋ねられるのは、「同業者の情報を仕入れたいから」。当然興味のある質問なので、気にする必要はないと言っています。
「(むしろ今の会社の)ブラック度が高ければ高いほど、ここ(転職先)よりも辛い経験をしているし、頑張ってくれるんじゃないかと思ってくれる面接官もいるはずです」
それよりも問題となるのは、「ブラック会社」に対する認識が面接担当者と異なる場合。もしも些細な事柄を挙げて「あの会社はブラック」と非難していると、「この人は、ただ文句を言うだけの人ではないか」と警戒されてしまうというのです。
ちなみに、kazspnさんのブラック基準によると、「離職率20~30%」は許容範囲、「社長がワンマン」は中小企業なら普通。「サービス残業が毎月200時間以上」だと、ブラック会社と認めるそうです。
「会社の不満を言ってもよいが、極端な例だけにした方が無難だと思います」
前の会社の悪口に終始するより、そんな経験を踏まえて「これからはこうしたいんです!」とアピールした方が、確かに効果的です。何だかすべらない「鉄板ネタ」を持っているようで、かえってうらやましい気もしますね。