企業の口コミサイト「キャリコネ」が、就職活動を終えて一息ついた東京大学の現役女子学生の座談会「私たち、シューカツ終わりました」を掲載している。
登場するのは国内系の損保会社に内定したマリコさん、国内系の電機メーカーに内定したエリカさん、外資の戦略系コンサルティング会社に内定したユリさんの3人だ。
彼氏に働いてほしい「外資系金融」
マリコさんは、半年前までつき合っていた彼氏に勧められ、外資系金融会社の採用面接を受けた。新人でも年収が1000万円を超えるので「すぐに2人でマンション買えるよ」と誘われたらしい。
しかし最終的には、国内の会社に決めた。理由は、「彼氏に二股かけられ別れたから」ではなく、4~5年も働いたらクビを切られるような会社はイヤだから。でも、
「脇目もふらずに馬車馬のように働いて、たまの休みにメチャクチャはじける…。な~んて荒れた生活を、一度してみたかったかなあ」
と、東大女子ならではの「究極のキャリア」に若干の未練を残している。
ユリさんは外資系金融機関を受けたが、最終面接で落とされてしまった。アメリカ人の人事部長に
「最後だから、もう日本語でしゃべっていいよ」
と言われ、日本語で話してしまった。
しかし4人のうち1人だけ、最後まで頑なに英語で話し続けた学生がおり、その人だけが合格したのだという。「ま、それだけが理由じゃないかも知れないけど、なんか釈然としないのよね」とユリさんは振り返る。
エリカさんが「彼氏に働いて欲しい職場の一番人気」にあげたのは、「公務員」。しかし話題は脱線して「職場恋愛や不倫が自由で、キャリアにも影響しない」という、ある省庁の噂に。
マリコさんは、若い職員との不倫で更迭された審議官の出身省庁を先輩に案内されたとき、節電で薄暗い廊下で職員がイチャイチャしているのを実際に見てしまったという。それを聞いたユリさんは、
「公務員はイヤ。やっぱりゴールドマンサックスがいい」
とホンネを明かしている。
社会人経験なしに、そこまで言い切れるか
大手企業からの内定を得た3人だが、成長著しい新興、ベンチャー企業への志向はなかったのか。エリカさんは「小さな会社のほうが、何でもやらされて幅広い経験が身につくというのはウソ」だと語る。
大銀行に入れば最初は下積みだが、窓口からスタートして仕事の基礎を学び、小さな融資の相談に乗り、やがて企業と付き合いながら大事業に関わっていく。10年や15年経てば世の中のしくみが分かるゼネラリストになれるというのだ。
一方、小さな会社では確かにいきなり何でもやらされるが、
「しょせんは一人に押しつけることができて、一人でも片付けられるような、そんな程度のレベルの仕事」
であり、相談できる先輩もいないようでは、そこで積める経験なんて「たかが知れてる」気がするという。
マリコさんも、社会人生活の最初に「組織の歯車」として大企業や銀行で働くメリットがあるのではないかと応じる。
確かに納得できる部分もあるが、自社の商品・サービスや市場をよく理解していない「ゼネラリスト」が舵取りをする恐ろしい大企業も少なくない。実際に働いたことのない学生は、そこまでは知らないのだろう。