Q&AサイトのOKWaveに、こんな相談が載っていました。質問者のtodonotsumariさんは、従業員40人ほどの会社に勤めています。最近、マスコミへの社長の露出が増えてきて、外向きには「よい会社」のイメージが高まっています。
それを見て、夢を抱いた入社希望者が増えているのですが、実態はまったくかけ離れています。無理な業務がたたり、体調不良やメンタルヘルス不全に悩む従業員が続出しているのだそうです。
カリスマ社長に意見したのが悪かったのか
ここ1年あまりでも、退職者は10人以上。「社長の方針がおかしい」と指摘したばかりに嫌がらせを延々され続け、辞めざるを得なくなった人も少なくありません。
過酷な業務に耐えかねた同僚のAさんが、決死の思いで「もう無理です」と社長に直訴しました。すると、本人からの辞表(退職届)の提出もなく、会社から退職日の通知もない段階なのに、
「Aさんは○月○日に退職することになった」
と社内発表されてしまったのだそうです。これに対し質問者さんは、「あまりに度が過ぎる」「法律的に問題ないのでしょうか」と憤っています。
この社長、普段から「素直力」という言葉を使って社員に訓示をしているとか。ちっぽけなプライドや損得勘定を捨て「美しい心」で相手の話を受け入れろ――。そんな風に「口応えできない状況」を作っていることにも我慢がなりません。
ポイントは同僚の「もう無理」という言葉の解釈と思われますが、回答者からは「法的には問題ない」というアドバイスが相次いでいます。
「辞表提出が早いか、社内発表が早かったかだけの問題です」
質問文にあった「いつの間にか『辞める』方向に進み…」という部分を、双方の間で合意があったものと読み取った人が多かったようです。
しかし、憤りを考えれば、「いつの間にか会社が勝手に」話を進めたと解釈する方が自然でしょう。質問者さんも「同僚は『悩んでいる』とまでしか発言していないようです」と補足しています。
法的に問題ありかもしれないが
一方、回答者のre_hookさんは、「辞表提出が早いか、社内発表が早かったかだけの問題」というアドバイスはひどいと批判しています。
「『もうムリ』という発言は、仕事がきついから軽減してくれという意味でしょう。『辞めたい』と曲解するのもひどいし、『できないなら辞めろ』というのも不当解雇です」
口頭での退職の意思表示は、よほど明確でなければ認められないはず。それに多くの会社ではトラブル回避のために、手続き上「退職届」の提出を要求しています。
とはいえ、小さな会社でオーナー社長に楯突けば「嫌なら辞めれば?」と言われるのも現実。手続きに問題があったとしても、引き続き働くことは難しそうです。
質問者さんもAさんの近況を、「さらに参ってしまい、もう仕事へのモチベーションが全く高まらない様子」と伝えています。不景気と地方の就労環境の厳しさがあいまって、
「無理難題を社員に強いても『自分のカリスマ性ゆえに全員ついて来ている』と社長自身が勘違いできるのだと思います。悲しいことです」
と嘆いています。お気の毒と思いますが、社長に言わせれば「お前が辛いのは、まだまだ素直力が足りないから」なのかもしれません。