「年収が高い人ほどSNSに積極的」と報じられたニュースに、ネット上で「本当かな?」と疑いの声があがっている。
記事によると、25歳から34歳のビジネスパーソンのうち、ソーシャルネットワークサービス(SNS)の利用率が最も高かった層は「年収900万円台」の68.4%。2位以下にも「800万円台」「1000万円以上」「700万円台」と高収入が続いている。
英語力との関係はあるのか
記事のソースとなったアンケートは、転職サービスの「DODA」が5000人を対象に実施したもの。年収が多い層ほどSNSの利用率が高い理由について、調査元では、
「DODA登録者を見ると、TOEICテストの点数が高い人ほど年収が高いことが分かっています。このことから、語学力が高いフェイスブック利用者の増加が、年収別のSNS利用率の差に現れたと推察できます」
と、やや強引な説明をしている。
しかしアンケートで尋ねている「SNSの利用状況」はフェイスブックだけでなく、ツイッターやミクシィ、グリーなども含めている。英語力との関係は、フェイスブック以外では当てはまらないはずだ。
また、急増している日本のフェイスブック利用者の多くは、日本語で利用していると見られる。国内利用者数は300万人を超えたというが、グリーの2600万人には遠く及ばない。「自分の周りにはあまり当てはまらない」という実感もあり、この推察は「こじつけではないか」というわけだ。
また、ネット上にはSNS利用率の高い層の収入を見て、「(給料を)そんなにもらっているやつがいるのか」「信じられない」という声も目につく。この点を調査元に確認したところ、
「回答者の87.5%は600万円未満で、ボリュームゾーンは300~400万円です」
という答えが返ってきた。
900万円台の人が占める割合は、わずか1.4%。1000万円以上も1.7%に過ぎない。30.8%を占める300万円台の20分の1。高収入者はもともと、SNSの利用率で一喜一憂する必要もないほど少数派だ。「自分はSNSをこんなに使っているのに、なぜ収入が低いのか」と自信を喪失しないようにしたい。