女性管理職は、会社に行くのが好きな人が多い――。第一生命経済研究所の「LIFE DESIGN REPORT」(2011.7)に、そんな調査結果が載っている。
男性・女性の管理職と一般職を対象にアンケートを実施したところ、「自分は会社に行くのが好きだ」と答えた割合がもっとも高かった層は、女性管理職の67.7%で、実に3人に2人にのぼっている。
「会社と信頼関係あり」8割超でダントツ
アンケートは、20~60代の男女正社員900人を対象に実施。「好き」の割合がもっとも低かった男性一般職(38.5%)との差は30ポイント近い。男性管理職でも58.0%にとどまり、女性の方が10ポイントも上回っている。
会社に対するイメージの高さでも、女性管理職は男性一般職を引き離している。
「会社と自分には信頼関係がある」と答えた人は、男性一般職43.0%に対し、女性管理職75.0%。「自分は会社に貢献したいと思う」という人は、男性一般職61.0%に対し85.3%と24ポイント近く上回っている。
都内のある中堅商社では、女性の管理職登用が最近増えているという。この会社に勤める30代女性のAさんは、調査の結果を見て「すっごくよく分かりますよ」とつぶやいた。
「ここでいう『会社』って、きっと社長とか特定の重役なんですよね。偉い人に気に入られれば出世するのは男性も同じですけど、女性の方が少ない分、抜擢という形になる。後見人がハッキリしてるから、『会社』との信頼関係を実感できるんです。男性のヒラ社員なんて、社長と話したこと、ほとんどないでしょう?」
女性管理職は、社内で感じるストレスも相対的に低い。仕事の内容や量などに関するストレスを感じると答えた女性一般職77.0%に対し、女性管理職は68.3%だった。組織風土に関するストレスも女性一般職69.0%に対し、54.7%と14ポイント低い。
「自分だけで変えようがない要素に強く不満を持たない、ポジティブな人が出世するのかな。出世して裁量が増えたから、ストレスが低いのかもしれないけど」(Aさん)
飲み会は「仕事に不要だが、楽しめる」4割
興味深いのは「職場の飲み会」に対する意識だ。飲み会の必要性と楽しさについて尋ねたところ、男性管理職でもっとも多かったのは「飲み会は必要であり、かつ楽しい」と答えた人で38.5%だった。
一方、女性管理職では「飲み会は必要とは思わないが、参加して楽しい」と答えた人がもっとも多く、39.7%を占めた。男性管理職では31.0%だった。
男性管理職の方が、「飲ミュニケーション」に依存しているといえるかもしれない。部下としては女性管理職が答えたように、仕事と切り離しつつ楽しめる飲み会であれば、より参加しやすいのではないか。Aさんも、
「最近管理職になった人たちは、会議の合間とかでも仕事ばっかりでなく、息抜きの時間をうまく作って仕事以外の話もしている気がする」
と振り返る。
別の項目では、「職場の人たちには、何かと気配りするよう心がけている」と答えた女性管理職が92.7%を占めた。職場の雰囲気が悪くて仕事のモチベーションが下がっている部署には、女性管理職を投入してムードの改善を図ってもらってはどうだろうか。