「最近、スマートフォンでウェブを見る時のスピードが遅くなったように感じるんですよね」。昨年からスマートフォンユーザーとなった会社員のAさん。一時期よりもブラウジングに時間がかかるようになった、と言うのです。
「社内の詳しい人に聞いたんですけど、通信速度の速い地域や遅い地域があるらしくって。それで、なんか納得のいかない感じがするんです」
コース分ければ無駄な通信減るか
Aさんは、大のクルマ好き。その感覚からすると、通信速度の早い地域と遅い地域とは、自動車専用の高速道路と一般道が併存しているようなもの。当然、料金に差があってしかるべきなのでは、というわけです。
「ユーザーが急激に増えて、インフラ整備が追いついていないという事情もあるでしょう。その詳しい人に聞いた時も、整備しきっていなくて、少ない道に多くのクルマが一斉に集まって混雑しているってイメージだった」
ただ、それはともかく、ハイスピードエリアとそうでないエリアがあるのなら、料金に差をつけて混雑緩和をすべきなのではないか。それが、Aさんの意見です。
「ビジネスで利用する場合、時間を有効に利用したいし、多少高くても経費として扱える。プライベート利用で、それほど緊急性がないのなら、速度よりも料金の多寡の方が気になるはず。全部一緒で同料金だから、ムダな通信も多いんじゃないですかね?」
折しも、通信キャリアがスマートフォンでのパケット利用に速度制限を設けることを発表しています。3日合計で300万パケット以上となると、動画サイトを1日あたり30分ほど視聴すれば該当してしまいます。
高速道路と一般道のように、速度制限や通行量で料金をわけることができるのかどうかわかりませんが、ビジネスユースには何かインセンティブをつけるというのは、簡単に値上げができないのであれば、案外現実的なアイデアかもしれません。
井上トシユキ