CNN日本語版のサイトに「『いい男』は稼ぎが少ない 米国とカナダの研究で結論」という記事が掲載されている。アメリカとカナダの大学の研究チームが社会心理学の学会誌に発表した説だという。
これをめぐっては、「色男、金と力は無かりけり・・・。江戸時代からの常識だろう」「ブサイクは稼ぎが多いというのか?」といった反応が見られるが、よく読むとそういう意味ではないようだ。
イケメンではなく「愛想」のことらしい
記事によると、職場で同僚から好かれる「協調性の高い男性」は、それが仇となって「給与明細に反動が出る」という。どういう理由で「反動」が出てしまうのかは詳しく書かれていないが、記事の最後には、
「企業社会では無情になる必要がある。弱いところを見せればつけこまれる」
というシドニー在住者のコメントを掲載している。
図々しい同僚に損な仕事を押し付けられたり、失敗の責任を取らされたりしやすいということだろうか。確固とした自分の意見を持ち、周囲の雑音に流されない男性は、一目置かれて評価も高くなるという面もあるだろう。
CNNの原文を見ると「Agreeableness(愛想のよさ)」という単語が使われている。記事の「いい男」とはイケメンを指すのではなく、男の「愛想のよさ」は収入に結びつかないばかりかマイナスに作用する場合もある、と理解するのが正確だ。
一方、女性の場合には、「愛想のない態度が男性のようなメリットには結びつかない」という。言い換えれば、女性は愛想があった方が高収入になりやすいということ。評価者が男性の場合が多いことも影響しているのではないか。
とはいえ人生の価値は、多少の稼ぎの違いで決まるものではない。ネット上には、
「いい人で好かれて毎日楽しい『釣りバカ日誌』の浜ちゃんでいけるなら、ちょっとくらい給料が安くてもいいかなと思ったり」
といった呑気な書き込みも見られる。研究結果も、その程度で受け止めておくくらいでよいのだろう。