デンマークの優雅な夏休み 「うらやましくない」理由

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   北欧の生活様式を紹介する記事が、ネットで話題になっている。2011年8月1日付の「SANKEI EXPRESS」は、デンマーク駐在の記者が「ゆったり優雅にロングバケーション」と題して、夏の長期休暇を楽しむ人々の様子をレポートしている。

   この記事が掲載されたのは、「Viva!ヨーロッパ」というコーナー。欧州の魅力を強力にアピールし、「日本人には理解はできても、実践は難しそう」と締めている。

人口550万人、石油の自給率100%超

   デンマークの法定労働時間は週37時間。残業はなく、休日出勤もない。年間で約6週間の休暇が認められており、そのうち夏には3週間程度の休みを取るのが「普通」だという。

   「休めない労働環境」というものはなく、「休める環境を作るのがトップの仕事」と皆が言い切っている。1週間を別の職場の臨時職員として働き、残り2週間で稼いだカネを使う人も。ネット上には、この習慣をうらやむ声があがっている。

「日本もこうしようぜ」「これで日本より労働生産性はるか上だからな」
「適度に休む方が作業をいい方向に行かせるのには証明されていること」

   オランダ在住経験者が「3週間程度の休暇は当たり前、日常の会社勤務も残業無しが基準だったので、帰国後、リハビリに苦労した」と明かしているところを見ると、欧州の「ゆったり優雅」は記事の通りなのだろう。

   一方で、天然資源が豊かな小国と比べても意味がないと反論する人もいる。

「欧州を過大評価しすぎ。人口550万しかない農業国と比べてるのもあほらしい」
「日本で田舎に住むのと同じようなもんだよ。誰しも職に就けるわけではないし、サービス業のレベルはすごい低い。給料は低いけど、そのかわり変な残業はしなくていい」

   国土は北海道の半分強で、人口密度は山形県ほど。石油の自給率は100%を超えている。確かに真正面から比較しても、しようがないのかもしれない。

消費税25%、徴兵制もある

   積極的に「うらやましくない」という反論もある。消費税は25%、所得税は50%を超え、「高所得者は他国に逃げ、現役のうちは自国に戻れない変な国」と指摘する人もいた。

   18歳から32歳までの男子が対象の徴兵制が敷かれている。劣悪な環境で働いている「移民労働者の悲惨な実状」が反映されていないと指摘する人も。

   国土や資源、人口の違いや、デンマークの陰の問題を紹介せずに、まぶしいばかりの光の部分ばかり賞賛するのは「罪な記事」というわけだ。

   震災後の現状を踏まえて「俺は日本が復興するなら休みなんて要らない」と意気込む書き込みも。負け惜しみで「酸っぱいブドウはいらない」というのは情けないが、他国は他国、日本は日本の具体的な問題を改善するという視点も必要ということだろう。

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