自分は営業に向いていないかも 「もう辞めてしまいたい」

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   スタジオ02の大関です。今回も「営業」に関わる人からの悩みにお答えします。

Q:2年前に企画から異動で営業に来ました。最初はそこそこ実績も上がっていたのですが、最近はさっぱり。自分なりにやり方を考えて訪問件数も上げているものの、不景気のせいか結果が出なくなりました。実績を出している先輩はいますが、地味で単調なことしかしておらず、とても参考になりません。結局、自分は営業に向いていないのかもしれない。もう辞めようかなと思っています(27歳・Aさん)

藤田社長も「営業」が得意ではなかった?

「結果を出す人の原理」に沿って粘り強く実行する
「結果を出す人の原理」に沿って粘り強く実行する

A:誰にでも実績の上がらないときがあり、先輩たちは自分なりの「スランプ脱出法」を持っているものです。しかしAさんの場合は経験も浅く、スランプという話ではなさそうです。最初に成績がよかったのも、前任者のおかげかもしれません。

   営業という仕事ほど、誰にでもできるように見られながら、向き不向きが言われる職種もありません。しかし、大きな成果を上げた営業マンが、みんな頭の回転がよく、社交的で押しが強いかというと、必ずしもそうではありません。

   雑誌『GQ』に、サイバーエージェントの藤田晋社長のインタビューが掲載されていました。彼は「伝説の営業マン」という自らに対する評価を否定し、「営業で結果は出していましたけれど、得意だと思っていません」と答えています。

   彼は「こういっては失礼だけれど、知的という感じの人じゃなかったし、話していても、全然、面白くない」トップ営業マンの仕事のやり方を真似て、

「ひたすら電話して、アポとって、面談できたら、自社の商品をほめ続ける」

ことを繰り返したそうです。

   どんな場合でもこの手法が通用するわけではありませんが、「そういう人が結果を出してしまうのが現実だとすれば、その原理に従うしかない」という藤田さんの合理的な考えには頭が下がります。

   向き不向きにこだわっていたら、藤田さんは結果を出せずに終わったでしょう。これはどの職種においても同じことだと思いますが、Aさんも向き不向きにこだわらずに、結果を出す原理に従って粘り強く行動するしかありません。

素直に「できる人のやり方」に従ってみる

   たいていの会社には、会社の存続を支えてきた自社の商品・サービスを売る「組織のノウハウ」が存在します。経験の浅い営業マンや、他社や他部署から異動してきた人は、まずはこのノウハウを現場で教わることから始めるのが鉄則です。

   しかしAさんの場合はビギナーズラックもあり、新卒生え抜きでもなかったことから、上司や先輩からそのような基礎を教わる機会が十分になかったのかもしれません。その場合には、藤田社長のように「結果を出す人」を観察し、自ら学び取る必要があります。

   その際、まずは「自分なりのやり方」に対するこだわりを捨て、他人のやり方を素直に受け入れ、確実に粘り強く実行する姿勢が大切になります。

   私が見てきた多くの企業でも、業績の上がらない営業社員は「自分にはこの仕事は向かない」と思い込んでいる人ばかりでした。少し詳しく話を聞いてみると、「自分のやり方で実績が上がらないのは、この会社の営業が自分に合わないから」という結論がほとんど。

   でも実際には逆で、「この会社」「この商品」「この顧客」のやり方に自分を合わせていくことが先決で、その先に自分なりの個性が自然と出てくるものです。「地味で単調」な仕事ぶりで「実績を出している先輩」に頭を下げ、虚心に話を聞きに行ってはいかがでしょうか。

※営業を中心としたお仕事の悩みについて、筆者がお答えします。

大関 暁夫

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大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。執筆にあたり若手ビジネスマンを中心に仕事中の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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