「ウェイボー」が変える? 中国人の未来のマナー

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「中国より日本の方がイイネ!」

   都内で料理店を経営する中国人Mさんは言います。震災後に一旦は帰国したものの、4月には日本へ戻ってきました。店のこと、子どもたちの学校のことなど、いくつか理由があったそうです。が、そのなかでも大きかったのが「暮らしやすさ」。

「中国と日本とでは、マナーの考え方と定着がぜんぜん違う。たとえば、ケータイやスマホ。中国人は電車でもバスでも、どこでもお構いなしに大声で話すね。急いで帰国して疲れている時、ホントに腹が立ったよ」

「スマホは完全に若い人のもの」

   飛行機の機内でも、大きな声で通話している人が、それほど珍しくないとか。

「事故を起こした高速鉄道、あれはまだ物珍しいからか、ケータイで話してる人は少ないみたいね。大人も子どもも、窓の外をビュンビュン過ぎていく景色を見てビックリしてるらしいよ(笑)。高速鉄道は、ほとんどの区間が真っ直ぐだからね、スピード感はスゴいみたい」

   それでも、慣れた頃には、例にもれず車内が騒がしくなるんじゃないか、と。

   そういえば、とMさんが続けました。

「ケータイとスマートフォンとで一番違うこと、何かわかる?」

   答えは、ユーザー層。40代以上ではスマートフォンを使っている人が、ほとんどいないのだそうです。

「スマートフォンは完全に若い人のもの。特に中国国内で恵まれた世代と言われている、80年代以降に生まれた若い人。彼らはスマホを使ってネットに夢中ね」

   ネットニュースの読者も中国版ツイッター「ウェイボー」のユーザーも、10代から30代しかいないと言ってもいいぐらいなのだそう。

「監視や検閲はあるけど、書き込みの数が多すぎて削除が間に合わないほど活発。ワタシは日本でネットもスマホも覚えたけど、中国の若い人たちもどんどん覚えて、いろんな情報を知ってきてる。豊かになって、外国へ行った人も増えてる。これからは、中国人のマナーや行儀も良く変わるかもしれないね!」

   スマートフォンやネットの普及が、中国を変えていくのかどうか。日本も無関係ではいられないだけに注目したいですね。

井上トシユキ

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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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