日本総合研究所は2011年の夏休みを、8月6日から21日とする。総合研究部門や調査部、本社機能などが対象で、この夏の電力不足への対策がねらいだ。一斉夏期休暇を設けていないため、平日部分の10日間は有給休暇の計画的付与として処理する。
16連休の夏休みは、日本経団連やNTT本社の事務部門などでも実施。三菱重工業の22連休や東芝の21連休にはかなわないが、昨年までと比べてかなり長い夏休みになることは間違いない。
派遣秘書「正直ぜんぜん嬉しくない」
この間、東京・千代田区の日本総研・東京本社は完全に立ち入りができなくなる。同社はエアコン温度を上げたり蛍光灯を間引きするなどして、電力使用量の昨年比15%削減を目指しているが、事務所ビルを完全閉鎖する効果が高いと考えた。
8月はお盆もあり、この期間に夏休みを取る顧客は比較的多かった。顧客からの急な要請があった場合には、自宅や本社以外の拠点から対応を行うことにしている。
他にも、1週間から2週間の一斉休暇を設ける都内大手企業は少なくないが、「夏休みがたくさん取れる」と喜んでいる人ばかりではないようだ。
大手町の商社に秘書スタッフとして派遣されているA子さん(28歳)は、担当する役員が8月のほとんどを出社しないため、給料が激減する見込みだ。
「会社の一斉休暇前後に休みをプラスして、海外にバカンスに行くみたい。『来月は出てこなくていいよ』と気を使って言ってくれるけど、正直ぜんぜん嬉しくない。私たちは時給で働いているから、休みが長ければ長いほど給料が減る。実家に帰ってお金を使わないようにしないと生きていけない」
彼女と親しいオフィス街の飲食店スタッフも、「8月中は出番の人を半分に減らすことにしたけど、様子によってはしばらく店を閉めるかも」と浮かない顔だったという。