第一生命の採用担当、人事部人財開発室課長が、フジサンケイビジネスアイのインタビューで「これから必要な人材」について語っている。
いま採用したいのは「創造的課題解決型の人材」であると明かし、「ツイッターで仲間を募り、20人の友だちと被災地にボランティアに行ってきた」と面接でアピールした男子学生が、来春入社の内定を勝ち取ったという。
これからは「ツイッター仲間とボランティア」?
一方で、判を押したように面接で同じことをいう学生たちがいる。学生時代に頑張ったことを尋ねられ、
「テニスサークルの部長で、サークルでトラブルがあったときに…」
などとアピールしても、独自性がまったくないので高い評価を得られないという。
テニサーの部長として「サークル内の人間関係のトラブルを仲裁した」という応答が模範的と言われた起源は不明だが、90年代には使われはじめていたようだ。
ネット上には面接担当者が「グループ面接の半数以上がテニサー時代のエピソード」と苦笑する書き込みも見られるくらい、使い古されたフレーズでもある。
テニサーの数は、一説には早稲田大学だけでも100を超えるとも言われる。部長だけでなく副部長や幹事長もいることを考えると、仮に話が事実だとしても「独自性」は出しにくい。それでも、いまだにこの手を使う学生がいるとはオドロキだ。
なお、採用課長が求める「創造的課題解決型」の人材とは、自ら高い目標を掲げ、達成するための独自の課題を設定して、粘り強く実行していける人のこと。
「ツイッター仲間とボランティアに行くくらい、大したことではない」
と思うかもしれないが、テニサー内で起きたイザコザを丸く収める「トラブル対応型」「問題対策型」より、よほどインパクトが大きいということだろう。
ここまできたら、マニュアルには「テニサーの部長は就活に不利」と明記すべきではないか。とはいえ、来年になれば「ツイッター仲間とボランティア」という応答が続出するかもしれないので、自分なりに「独自性」を考えざるを得ないだろう。