サントリー食品インターナショナルが、ツイッターに投稿された内容を調べたところ、「疲れた」というツイートが、およそ3秒に1回のペースで投稿されていたという。
曜日ごとでは、水曜日に増加する傾向があった。この結果に、ネット上では「ホントに疲れることばかり」と同調する人は少数で、他人のグチを聞かされる不快感を訴える声が圧倒的に多く見られる。
「こっちまで気が滅入る」「聞いてる身にもなれ」
「疲れた」という投稿は、調査期間に1日平均2万7241回も見られた。フォロワーからの励ましや慰めを期待したものかもしれない。
しかし実際には、他人の「疲れた」という書き込みを読んだり、ため息が耳に入ったりすると、やる気が失せると反発する人が大多数のようだ。
「疲れたアピールするやつって、なんなんだろーな。うざすぎるよな」
「朝からため息つくやつ消えろよ。こっちまで気が滅入るわ」
「まわりで聞いてるほうの身にもなれよ。こっちまで陰鬱な気分になるんだよ」
「よし、元気出してやろう」と気合いを入れたときに、周囲で「疲れた~」とやられると、「スパーンとやる気が吹っ飛ぶ」と憤る人もいた。
また、仕事中に「疲れた」と口にするのは心理的に逆効果で、あえて言わないようにすると意外と頑張れるという意見もある。『「できるヤツ」と思わせる20のコツ』の著者・野崎大輔氏も、同意見だ。
凡人サラリーマンが周囲から頼れる存在と思われるためには、自分で「疲れた」を禁句と決めるのが鉄則という。
「軽い疲れを感じたとき、僕は『疲れたからボヤくのではない。疲れたとボヤくから疲れるのだ』と自分に言い聞かせます。タフなビジネスマンの自己イメージを持っていると、疲れを感じにくくなりますし、上司からもいい仕事を振ってもらいやすくなります。ただし本当に疲れたら、きちんと休んで再開した方が能率は上がります」
本当に疲れた人のSOSかもしれない
「間違っても、子どもの前で疲れたとか言うなよ」と釘を刺す声も。仕事の疲れや不満ばかり漏らしていると、「仕事ってそんなにイヤなものなのか」と子どもに刷り込まれて、引きこもりのきっかけになるという説があるようだ。
一方で、「疲れた」という弱音を甘えや依存心と捉えて「だらしない」「しっかりしろ」と責めるばかりでもいけないという指摘もあった。
「本当に疲れたやつが『疲れた』って言ってるときもあるから、話ぐらい聞いてやれ。仲がいい人であればあるほど、その人が自殺したときに後悔することになる。少なくともおれは猛烈に後悔している」
日本じゃあいさつ代わり、と軽く見る人もいるだろうが、追い込まれてSOSを発するように「疲れた」とつぶやく人を見かけたら、周囲は温かく休養を勧めてあげるべきだろう。