アクサ生命保険は2011年6月27日、「震災後の日本を任せたい有名人」のアンケート結果を発表した。1位はタレント・映画監督の北野武で480票。2位以下には小泉純一郎元首相(440票)、石原慎太郎都知事(409票)、孫正義ソフトバンク社長(404票)が続いた。
アンケートは1都3県在住の20~59歳、1万人が自由回答。トップ10には、カルロス・ゴーン日産自動車社長(7位)とバラク・オバマ米大統領(9位)の2人の外国人もランクインした。17位には「自分」、菅直人首相は19位だった。
「暴論でも、『だってさ』が続くならいい」
たけしは震災直後、「被災地の空き巣は撃ち殺していい」「国会議員のジャンパー(作業着)は何の役に立つの?襟立てたりしてさ、宝塚かよ」などの発言で共感を集めたが、そのことも関係しているのかもしれない。
とはいえ、政治的手腕を十分検討しているとは思えないランキングに、ネット上には呆れる声が多数上がっている。
「衆愚とは恐ろしいなー」「やっぱ国民はバカだわ」
「なんで、たけしって、こんなに過大評価されてんだろうね」「9位のオバマさんが無難かなあ」
一方で、1位のたけしなら政治家よりマシという意見もある。20代OLのEさんは、いまの政治の「分かりにくさ」を解消してくれるだけでも、だいぶイライラが和らぐと言う。
「どうせ政治に正解なんてないんだから、結局は決断の問題でしょ。あとは決めた理由がとりあえず納得できそうかどうか。いまの政治家は本当の思惑を隠して、決まったことしか言わないから信用できなくて疲れる」
たけしなら「東京湾に原発作ればいい」と言った後に「だってさ」と続けて、そうすればリスクを踏まえて安全に十分配慮したものを作るはずだし、地方にもカネを配らずに済む、と理由を説明する。
暴論ではあるが、理由を続けることで論点が明確になるわけだ。「賛成なら協力するし、反対ならリコールする。たぶん今の政治は賛成反対をワザと言いにくくしてるんだろうけど、なんか無力感というか、ストレスがものすごく溜まる」
「一番ありえないのは石原さん」
菅首相も、浜岡原発を停止した理由を「だってさ、そのまま運転させたら危ないでしょう?」とホンネで説明すれば、支持率はアップするだろうという。
「会社だって、今期の方針はこうだとか、給料が上がらないのはなぜとか、いちおう背景や理由を説明してくれるから、とりあえず納得するし、自分がどう貢献するか考えたりする。国の政治だったら余計そうして欲しい」
別の20代OLのNさんも、たけしの「炊き出しは避難者のリクエストを聞け」はよかったと評価し、「一番ありえないのは石原さん」と断ずる。
「あの人は、国民一人ひとりよりも、国のプライドとか意地の方が大事なんでしょう。そんなの何の価値もないことに気づいていない。そういう人に任せるのが一番危ない」
3位に食い込んだ理由については、「お年寄りたちが入れたんでしょう。つき合いきれません」と呆れたように答えていた。