Q&AサイトのOKWaveに、こんな相談が載っていました。質問者のgj0tpmagtさんは、被災地の支店に勤務する会社員。このたび1年間の海外勤務を終えた同僚が、同じ支店に戻ってくることになりました。
その影響で来月、人数調整のため1人だけ県外の支店に転勤することになり、質問者さんに白羽の矢が立ちました。でも震災後も現地で頑張ってきた自分が、いまさら他県に行くことなど受け入れられません。同僚の代わりという点も納得いきません。
同僚のせい「ふざけるなって感じ」
会社には未練はありませんが、自己都合で退社すると失業保険がしばらくもらえないとのこと。なんとか解雇扱いにしてもらいたいと考えています。「ふざけるなって感じです。どうすればいいのでしょう?」
質問者さんと同僚との間には、なにか微妙な関係があるのでしょうか。同僚のせいで転勤するのは「絶対に嫌」、どうせならクビにして欲しいという姿勢には、地元への愛着以上の強い反発が感じられます。
回答者のusikunさんは、合理的な理由のない転勤拒否で解雇歴を残すのは考えもの、と指摘します。
「(転職活動中に)前職への照会で仮に解雇の事実が発覚したら、場合によっては採否に影響があるでしょう。感情的にならず冷静に判断した方がいいですよ」
業務命令違反で懲戒解雇は稀だと思いますが、何らかの処分がついてしまうかもしれません。
zombioさんも、退職ありきで突っ走る質問者さんの選択肢を整理して、(1)冷や飯を食ってでも今の勤務地に残る、(2)喜んで転勤して会社に感謝される、(3)転職の可能性に賭ける、の3つのうち、どれがマシか考えて直してみてはと提案します。
断固として拒否すれば、転勤の内示は取り消される可能性もあります。でも、他の人が代わりに転勤になり、今度は質問者さんがうらみを買ってしまうかもしれません。
解雇以外にも「会社都合」の道はある
key00001さんが大事な指摘をしています。会社都合の退職には、解雇以外にも「退職勧奨」という選択肢があるというのです。
「退職勧奨は、両者合意の円満な労働契約解除です。簡単に言っちゃうと、会社が『辞めてくれない?』とお願いし、従業員側が『いいですヨ』と応じる形ですから、会社都合に区分されるのです」
まずは転勤の辞令を拒否して、会社の出方を探ること。業績悪化などを理由に会社が辞めて欲しそうなら、退職勧奨を持ちかければ、意外とあっさり切り替えてくれるかもしれません。
その際、「条件次第では退職勧奨の受け入れも考慮します」と持ちかけると、退職金の上乗せなど金銭的な優遇を期待できるかもしれません。この当たりは、交渉のテクニックですね。
とはいえ、求人市場はまだまだ冷え込んでおり、転職は簡単でもありません。被災地であれば、なおさら余裕はない。zombioさんが挙げたように、他県の支店に一時的に転勤して「会社に感謝される」という道もある気もしますが、どうでしょうか。