妻が小遣いをケチると、夫がリストラ対象になる?

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   女性セブン編集部が全国の40~50代の女性500人を対象に調査したところ、夫の月の小遣いは「3万円未満」と答えた人が約半数を占め、「2万円未満」も3割近くいることがわかったという。

   不況による年収ダウンの影響もあり、夫の小遣いを極限まで絞り込む家庭は少なくないようだ。

読みたい本も読めなければ視野も狭くなる

「小遣いが少なくてやった」
「小遣いが少なくてやった」

   当然、「そんな金額では息抜きもできない」と嘆く男性は多い。遺失物のIC乗車券を払い戻して今年5月に懲戒免職になった20代の警察職員は、「小遣いが少なくてやった」と動機を説明したという。気の毒な限りだ。

   経営コンサルタントの宋文洲氏は、ツイッターで「旦那の小遣い制」に反対を表明している。理由は、「会社でサラリーマンの人が、家でもサラリーマンになるから」。

   小遣い制になる理由は、妻が家庭の金銭管理を一手に引き受けるため。小遣いの少なさに甘んじさえすれば、夫は手を煩わせなくて済む、ということなのだろう。

   しかし宋氏は、「金銭管理を通じて、経営、自立、リスク、計画などの感覚が身につく」のであり、小遣い制とすることでその機会が奪われるという。

   節約を理由に夫の小遣いを絞りすぎることは、長い目で見ると家計にとっても逆効果と指摘する人もいる。ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子氏は、小遣いをケチる妻に対し、こう警告する。

「夫が社内の付き合いに躊躇するようでは、出世もおぼつかなくなりますし、いざというとき頼りになる社外人脈の拡大も望めません。読みたい本も買えないようでは、スキルも高まらないし視野も狭くなる。小遣い制にしてわずかな額しか渡さない妻は、結果的に夫をリストラ候補に追い立てていることになるかもしれません」

「小遣い増やし、靴下を夫に買わせてみては」

   外資系金融機関での勤務経験を持つ花輪氏によると、夫の収入の使い道を妻が握る「男性にとって屈辱的ともいえる」小遣い制は、世界の主要都市では日本と比べ圧倒的に少ないという。

「欧米では、自分で稼いだお金は、自分の意思で使い道を決めるのが当たり前。個人の尊厳にも関わります。もちろん、すべて自分のためだけに使うわけではなく、毎月の家計は夫婦2人で出資し合います」

   それでは、夫をリストラ候補にしないためには、どんなやり方にすればよいのか。花輪氏は、「収入はお互いが管理する」欧米式の方法に変更するのが望ましいという。

「夫婦のお金をどちらか1人に任せっきりにせず、2人で使い方のルールを作り、一緒にお金の管理能力を高めていく必要があります。どうしても小遣い制を続けるなら、3万円の小遣いで携帯料金やシャツ、下着、靴下代などを家計から出すのではなく、小遣いを5万円に増やして夫自身がやりくりできる裁量を増やすのです。そうすれば夫は、書籍代にお金を回すために他の費用を節約するなど自分で工夫することができます」

   妻任せでラクをしているつもりでいると、いつのまにかスキルの面でも、自由に使えるお金の額でも、同僚や後輩に差をつけられてしまうかもしれない。

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