スマホって、もうちょっと大きくてもいいんじゃないの?

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   各社のキャンペーンやメディアでの露出もあるのでしょう。最近では、スマートフォンもかなり行き渡ってきた感があります。

   映像系の制作と人材派遣を行うプロダクションを経営する40代の女性社長A子さんは、昨年からケータイ、スマホ、タブレットの3個持ち。

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バイブルサイズでどうだろう

「ケータイは完全に家族との連絡用。子どももそうだけど、ウチの親が介護が必要になっちゃって、兄や妹とも頻繁に連絡しなくちゃいけなくなってるのね。
スマホとタブレットは仕事用ね。スケジュールの連絡や企画書がどうこうもあるけど、仕事が映像系だから、画像や動画がキレイにわかりやすく見えないと困るってのもあって、今は2つ持ってる。もうカバンが重くって。背骨が曲がっちゃうわよ」

   なのでA子さんは、スマートフォンとタブレットの中間サイズのものが欲しいといいます。

「システム手帳でバイブルサイズって、あるじゃない。あれぐらいの大きさだと助かるなあ」

   ついでに、折りたたみ式の画面がついていて、必要な時にはサイズアップできるとなお良いのだとか。

「だって、通話なんてイヤホンマイクとかでやればいいじゃない。電磁波が脳に悪いって話もあったし。だから、電話の機能については優先順位が低くて構わない。そう言う人って、案外多いと思うんだけど」

   A子さんと昔から仲の良いフリーの物書きB子さんも、別の角度から同じ意見です。

「アタシ自身は今ぐらいのサイズでいいんだけど、男の人を見てるとね、スマホはもう少し大きくてもいいんじゃないかって思うことがあるわね」

手書き入力用のペンがあってもいい

   B子さんは、プレス発表や来日した著名人などのぶら下がり取材が多いそうです。

   そうした場合に主に使うのはICレコーダーですが、資料などがたくさん用意されている時には、デジタルメモのようなもののほうが便利なことがあるのだとか。

「キーワードとか数字とか表情とか、忘れないようにチョッチョッとメモしておくみたいな。そんな時はスマホの手書き入力アプリが助かるんだけど、オジサンとか指が大きいからうまく入力できない人がいるんだよね(笑)。
オジサンのなかには、手書き入力アプリ用に、ゴルフで使う小さな使い捨て鉛筆の芯を取って、プラスチックの軸だけにしたやつを持ってる人もいる。でも、画面に傷がつきそうで、ホントは使うのイヤなんだって」

   これからますます普及するにつれ、ユーザーからのいろいろな要望が当然出てくるでしょう。いままでのように、モデルは1つだけというわけにもいかないでしょうし、入力方式もワンパターンではいかなくなるし、価格や機能に対する意見や不満の声も大きくなる。

   少し前までスタンダードだったものが、ちょっとしたきっかけや新しいマーケティングによってガラパゴス化してしまう。ドッグイヤーの法則は、スマートフォンやタブレットPCとて、IT機器である限り例外ではないのでしょうね。

井上トシユキ


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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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