ついに10億円超えた? 日産・ゴーン社長の役員報酬

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   日産自動車がカルロス・ゴーン社長兼CEOへ支払った役員報酬は、2011年3月期(2010年度)で10億円を超えているのではないかと話題になっている。

   6月7日に株主あて通知された資料によると、同社が2010年度に取締役8人へ支払った報酬は、合計16億7500万円。1人当たり平均2億円あまりだが、実際には半分以上がゴーン氏へ支払われたと予想されている。

役員報酬総額の半分を超えるのは確実

東日本大震災で被災した日産いわき工場を視察しインタビューに答えるゴーン社長(日産のホームページより)
東日本大震災で被災した日産いわき工場を視察しインタビューに答えるゴーン社長(日産のホームページより)

   役員報酬は、株主総会で総額を開示する必要があるが、個人別の内訳は開示が義務づけられていない。

   しかし日産の株主からは、「ゴーン氏にはいくら支払われているのか」という質問が以前から相次いでいた。

   これを受けてゴーン氏は、10年6月の株主総会で、自らの報酬が8億9000万円であることを明らかにしている。これは取締役10人の報酬総額の52.7%を占め、今年度もこの水準を下回ることはないと見られる。

   10年度の日産は、グローバル販売台数と市場占有率で過去最高の水準を達成。ここ数年落ち込んでいた業績を回復させている。米ニューヨーク市のタクシー「イエローキャブ」が日産車に統一されるというニュースも話題になった。

   役員の人数も2人減らしており、この功績を考慮するとゴーン氏の取り分が「大台」に乗るのは、ほぼ確実というわけだ。報酬が高額すぎるとの批判に対し、ゴーン氏は、

「ベンチマークしている他社のCEO平均と比べて高くない」

と株主に説明しているが、10年度は、08年度の期末以来続いていた「無配」状態を脱却していることもあり、株主の風当たりも和らいでいるかもしれない。

1人平均5000万円台のトヨタ、ホンダどうする

   株式の43.8%は大株主の仏ルノーが所有し、単純に計算しても配当は196億円。国内には「報酬減らして人雇え」という声もあるが、高額配当をもたらす有能な経営者と株主が認めれば、外野がとやかく言う権利はないというべきか。

   なお、ゴーン氏は親会社ルノーの会長兼CEOも務めており、報酬を別に受けている。

   昨年度は、ソニーのストリンガー会長が8億1400万円の高額報酬を受けているが、赤字決算や個人情報漏えいなどの不祥事続きで大幅減額となるだろう。ゴーン氏のトップは堅い。

   気になるのは、日本の同業他社の報酬水準。トヨタ自動車は取締役1人あたり平均で5477万円、ホンダも5383万円で、日産に遠く及ばない。

   とはいえトヨタは11年6月総会で、取締役の人数を27人から11人に減らし、報酬総額を月1億3000万円以内に改定する予定。1人当たりの平均報酬額を1億円以上に引き上げることが可能になる。

   日本の大企業の経営陣も、集団による無責任体制でなく、有能な経営者個人が重責を担ってらつ腕を振るい、業績を向上させたあかつきに多額の報酬をもらえるようにならないと、夢がないのではないか。

ゴーン社長の「報酬10億円」、高すぎる?
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