有休を取り残す理由 「仕事多すぎ」「誰も引き継いでくれない」

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   正社員を対象とした調査によると、有給休暇を取得して休んだ日数は1年間で平均8.1日、平均取得率は51.6%にとどまっていることがわかった。

   有休を取り残す理由を尋ねたところ、「病気や急用のために残しておく必要があるから」が64.6%と最も多く、「休むと職場の他の人に迷惑がかかるから」「仕事量が多すぎて休んでいる余裕がないから」「休みの間に仕事を引き継いでくれる人がいないから」が続いている。

「会社主導で付与して欲しい」という声も

有休を取り残す理由(出典:労働政策研究・研修機構)
有休を取り残す理由(出典:労働政策研究・研修機構)

   調査は独立行政法人労働政策研究・研修機構が、正社員2000人あまりから回答を得た。政府は有休取得率を「20年までに70%に引き上げる」ことを目標に掲げているが、実現への道のりは相当に遠い。

   有休を取り残す理由の2位から4位を総合すると、

「仕事が忙しいし、同僚に頼みたくてもいい顔をしない。そもそも頼める人もいない」

といったところか。他人の手伝いを評価しない成果主義や、限界ギチギチまで絞り込んだ少人数の業務分担を改めない限り、取得率はあがらないだろう。

   有休取得を「上司がいい顔をしないから」と答えた人も33.3%いたが、最小限の人件費で最大の仕事をさせることを経営陣から要求される上司としては、「健康なのに仕事を休むなんてとんでもない」と思うのかもしれない。

   このような背景もあってか、有休の取得率や日数の目標を会社に定めて欲しいと回答した人は、全体の81.9%。「有休を会社主導で計画的に付与して欲しい」という人も65.6%にのぼっている(「わからない」を除いた割合)。

   本来、有休は労働者が取得時季を自由に取得できるはずだが、不況下ではそんな柔軟性もない。とはいえ節電を名目に強制的に有休を消化させるなどしなければ、70%の政府目標は夢のまた夢に終わるだろう。

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