外資の航空会社で客室乗務員として働く40代のA子さん。家族は東京、実家は関西、月の3分の1から半分ぐらいを海外で過ごすこともあり、インターネットの利用を欠かすことはできません。
「おまけに3年前から友人と飲食店の経営を始めたので、とにかく連絡が多い。Eメールやショートメールを打っている間に電話がかかってきて、それに応答している間に次のメールが来ているとか(笑)。それで5~6年ぐらい前から2個持ちで、一時は3個持ちまで考えましたが、結局、ケータイとスマホの2個持ちに落ち着いています」
防御策「街中ではiPhone使わない」
スマートフォンはウェブメールやSNS、ブログといったブラウジングが主なので、最低限のアプリしか入っていません。
「いま、一番使っているのはスカイプ。ちょっとしたことならチャットで、込み入ったことは通話でできるし、料金を気にしなくていいので海外に居ても安心なんです。店のことは、クローズドにしてあるSNSでも連絡をしあってますね」
A子さんの海外での拠点になっているパリでは、Wi-Fiがかなり整備されているそうで、日本にいるよりスマートフォンの使い勝手がいいのだとか。
「だから、iPhoneをはじめとしたスマホを使っている人、多いですよ。見た目だけで言えば、6割か7割ぐらいかしら。片手に持って歩いている人もいるし、地下鉄でもメールを打っているのか、画面を操作している人が目につきますね」
ゆえに、スマートフォンのスリやひったくりも急増しているそうです。なにしろ、去年1年間だけでスリや引ったくりを含む強盗が4割も増え、その増えたほとんどがスマートフォンの被害だとフランスのメディアが報じたほど。
「狙われるのは、人気があるからiPhoneが圧倒的に多い。私もiPhoneですけど、ジーンズなどパンツのポケットには絶対に入れないし、スカイプでiPhoneに電話がかかってきても街中では出ません。街にいて仕方なく使う時は、必ずカフェなどショップの店内や公共施設の中に入ります」
パリでは使い勝手は良いが盗られる危険があり、日本では盗られたりはしないが繋がらないなど使い勝手が悪い――。A子さんによるiPhone評です。
「あんまりiPhoneばかり使っているので、日本でケータイを使おうとしたら、使い方を忘れていることもありますね。ケータイは、ほぼ日本にいる時の通話専用です。子どもがいないので、ダンナか親ぐらいしかかけてきませんけど(笑)」
それでも、たまに昔の同級生が「番号を聞いた」とかけてきたりするので、ケータイも持ち続けているのだそうです。
井上トシユキ