20代と30代の男女を対象にした調査によると、独身男女のうち「恋人あり」と答えた人は36.2%、「恋人なし」「交際経験なし」と答えた人は63.7%にのぼったという。
また、年収300~400万円の男性の既婚率は、20代で25.7%、30代で26.5%だが、300万円未満だと、それぞれ8.7%、9.3%と3分の1近くに激減するという結果も出ている。
「正社員保護の口実」と冷ややかな見方も
この調査は、内閣府が行った「結婚・家族形成に関する調査」。全国の20~30代の未婚または結婚3年以内の男女を対象に、インターネットを使って1万人から回答を得た。
ネット上には、「いまや結婚のメリットは皆無」と胸を張る男性も見られるが、「300万あれば独身で楽しくやっていけるが、世帯を持つには厳しい」と、結婚願望を抱きながら叶えらないと嘆く人もいる。
調査元の内閣府少子化対策担当によると、調査の目的は「少子化の要因のひとつである『未婚化』について、その原因や社会的要因などを明らかにすること」であるが、詳しい分析や施策立案は「情報提供先の各省庁にゆだねている」ということだ。
新しい施策が出てくるまで、しばらくは数字が一人歩きする。「地価や家賃が安い田舎なら、300万でもそれなりにやっていける」可能性があるのに、見栄っ張りで横並びが好きな女性たちを刺激することで、金額が規定路線になってしまうと危惧する声もある。
「こんな結果を公表して、誰の得になるというのか」「余計なこと言うなよ」
「300万未満とは結婚するなと、国がお墨付きを与えたようなもの」
など、少子化に逆効果だと反発の声があがっている。
正規雇用の30代男性の既婚率は29.3%と3割近いが、非正規雇用ではわずか5.6%。雇用形態も、結婚に一定の影響を与えている可能性がある。しかし、このデータに対しても、「大企業の正社員を保護する口実としようとしているのでは」と冷ややかに見る声が。
年収こそ400万円を超えるが、手取りは300万円台という、都内の中小企業勤務の20代男性会社員は、こう不満を漏らす。
「女性がなんと言おうと、(カネが)ないものはない。自分の会社の利益が上がらなければ、給料も上がらない。国は非効率な規制を廃止して、新しいビジネスが盛り上がるようにして欲しい。既得権を抱え込む人たちが利権を手放さないかぎり、僕らのところに光は差してこない気がする」