コミュニティサイトの「コトノハ」では、「腕時計をせずに携帯電話で時間を見るビジネスマン」について賛否を募っている。現時点での回答者は43人で、うち24人は「問題ない」と答えている。
問題ないとした回答者からは「固定観念を持たなくてもいいんじゃないの」というコメントがあるが、実際に働く人からは「みっともない」という声も聞かれる。
不要派の意見「手首に跡が付く」「重い」
日本時計協会によると、腕時計の輸入個数は1994年の6060万個をピークに、2000年に4748万個まで減少。2009年には3393万個、15年間で44%も落ち込んでいる。
理由のひとつに考えられているのが、携帯電話の普及。時間を確認するだけならケータイで済むというものだ。ネット上には、腕時計は不要という声が多く見られる。
「手首に跡付くし、ズレて痛いし、重いし、汗かく」
「若いヤツに『今何時?』って腕時計を見るジェスチャーしたら、『オッサン古いよ』って言われた」
「時間見るだけのために、腕に装着しっぱなしって、どういうこと?」
取引先への訪問がなく、一日中PCの前にいる人には「邪魔なだけ」。高級な輸入時計をする人が目立ち、「高いものをつけていないと恥ずかしい風潮になったから」やめたという人もいた。
一方で、腕時計は必要だと支持する人たちも。
「腕時計の方が、携帯見るより遥かに楽」
「不思議なもので、付けると自然に見るようになる」
ある中年男性はブログで、「どうもいい年したおっさんが時間確認のためにケータイばっかし覗いているのはどーなんだ?!」と感じて、国内ブランドの逆輸入品を1万円台で購入したと明かしている。
ビジネスマンのファッションとして、「スーツやジャケットのときは腕時計してないとカッコ悪いだろう」という声もあるが、そういうこだわりのない人が増えたからこそ、腕時計がすたれたのだろう。
ケータイでの確認は「時間にルーズな印象」?
しかし、実際のビジネスの場面では、ケータイ派を冷ややかに見ている人もいる。
広告代理店に勤務する30代の男性Aさんは、打ち合わせ中に何度もケータイのボタンを押して時間を確認する人に対し、「すごくみっともない」と感じるという。
「実はけっこういるんですが、本当にいい印象を受けないですね。打ち合わせのあと、同僚と『あれはないな』とうなずきあったこともありました。時間にルーズな人という印象を受けて、一緒に仕事をしたくない気持ちになる」
ある程度大きな商談になったら、ケータイを机に出しておくことはできない。相手が話しているときに呼び出し音がなったりしたら、「大ヒンシュクで商談吹っ飛びますよ」。
持ち物や服装の趣味や等級、清潔感などは、それを選んで身につけている人の信頼イメージにも影響するので、Aさん自身も気をつけているという。
「1万円未満のものはどうかと思うけど、オメガやロレックスみたいな高級なものじゃなくたって、国産だってぜんぜんいいと思う。すぐに買わなくてもいいから、どんなものがあるのか調べてみると少し考えが変わると思いますよ」