この夏の通勤怖い! 「混雑率200%」の東京脱出すべきか

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   首都圏で「節電」が実施された場合、オフィス内とともに影響が気になるのが、通勤電車の蒸し暑さだ。もしも駅や列車内で「夏は冷房を止め送風のみにします」といわれたら、どうなるだろう。

   国土交通省の資料(2009年度)によると、朝のラッシュ時の主要区間の平均混雑率は、東京圏の167%に対し、大阪圏では127%と40ポイントも低い。エアコンもフルに効いているので、大阪に事務所を移した方が出勤時の疲労は少なくなりそうだ。

錦糸町→両国間の混雑率は203%

国土交通省による「混雑率の目安」
国土交通省による「混雑率の目安」

   平均混雑率とは、最も混雑する時間帯1時間における、混雑率の平均。つり革や手すりをつかめる定員乗車を100%とし、

・150%=楽に広げて新聞を読める
・180%=折りたためば新聞を読める
・200%=身体が触れあい相当圧迫感があるが週刊誌程度なら読める
・250%=電車がゆれるたび体が斜めになって身動きができず手も動かせない

といった目安が設けられている。

   200%以上の混雑率を想定すること自体、有料サービスとして許されるのかという意見もあるが、JR総武線(緩行)の錦糸町→両国間では、実際に混雑率が203%にもなるという。瞬間的にはさらに混雑することもあるだろう。

   この区間のラッシュアワーを経験した人によると、「体重の軽い人は足が宙に浮く」「梅雨時には傘のしずくや湿気、汗でビショビショに」「押しつぶされた若い女性が『もうこんな毎日イヤだ』と泣き出す」といった場面に出くわすこともあるそうだ。

   このほか、東京圏では、JR京浜東北線の上野→御徒町間が198%、東京メトロ東西線の木場→門前仲町間が197%。中野→新宿間(JR)、池尻大橋→渋谷間(東急)、世田谷代田→下北沢間(小田急)なども190%前後だ。

   計画停電時と同じような運休や間引き運転が行われれば、混雑率はさらに高まるおそれがある。

それでも「昔に比べればだいぶマシ」

   一方、大阪圏の主要区間の平均混雑率は127%。最も混雑する区間でも、大阪市営地下鉄御堂筋線の梅田→淀屋橋間144%、阪急宝塚線の三国→十三間143%、阪急神戸線の神崎川→十三間141%で、いずれも150%を下回っている。

   「節電のため送風のみ」ということもなさそうなので、朝の電車通勤だけを考えれば、大阪へのオフィス移転にはメリットがありそうだ。

   とはいえ、先人からは「甘ったれるな」「昔に比べればだいぶマシ」と叱られるかもしれない。1975年の東京圏の平均混雑率は221%、89年まで200%を超えていた。現在の水準まで混雑率が緩和されたのは、平成15年以降のこと。これでもずいぶん楽になっているようだ。

   車両の冷房化が進んだのも、80年代以降の話。いまや夏の電車内の冷房が強すぎて「異常に寒すぎませんか?」「また風邪引いちゃう」と訴える人も出るありさまだ。結局は服装をポロシャツなどの「節電ビズ」に変え、強すぎる冷房を調整しながら、何とか乗り切ることになるのかもしれない。

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