仙台に営業所を置く東京の会社が被災地を支援する団体を立ち上げ、ウェブサイトを使った情報提供や現地でのボランティア活動を行っている。
イベント運営会社のタスクは社員を現地派遣し、仙台市に協力を申請。本業のノウハウを活かし、ボランティアスタッフの募集や管理業務を行っている。社員の給与や交通費、宿泊費などは会社が負担している。
ウェブサイトで救援支援物資を受付中
社長の田坂啓氏は、2011年3月11日の地震後、「会社を休みにするだけでいいのか、この会社で何かできないのか」と考えた。阪神淡路大震災のとき、被災地を支援できなかった無力感を抱いていたからだ。
震災翌日に現地に入って関係者の安否を確認した後、現地スタッフに「仙台復興支援団体たすく」の立ち上げを依頼。ガソリンスタンド、スーパー、医療機関の復旧情報や、救援支援物資の受付告知をウェブサイトに掲載している。
サイト上ではボランティアも募り、社会福祉協議会の要請を受けてスタッフを各避難所へ振り分ける業務などを引き受ける。大勢のアルバイトを使う本業のノウハウが活かせる得意分野だ。
支援活動には、取引先や同業他社も協力。事務所を置く会議室は、営業所が入居するビルのオーナーの好意で提供してもらっている。
震災後の「自粛ムード」を受け、予定していたコンサートの中止が相次いだ。18日には福岡のイベント運営会社が倒産。仙台と新潟にあるタスクの営業所でも3月だけで20件以上のイベントが中止となり、4月以降の見通しも立っていない。
同社では今後も現地のニーズに合わせて、派遣人数を調整しながら支援を続ける予定だ。震災の影響で学生の授業開始が5月の連休明けまで延びているが、
「5月から夏休みまでの間は人手不足が予想される。社会人を含めて、その時期に支援ができる人は協力して欲しい」
と呼びかけている。