「出戻り」でCFO就任 野村HD・中川さんの「異例」

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   野村ホールディングスで、女性執行役が誕生する。2011年4月1日付で財務統括責任者(CFO)に就任する中川順子さん(45)。野村で女性が執行役になることも、CFOになることも、1925年の創業以来初めての出来事だ。

   また中川さんは、野村証券をいったん退社後、再び入社しており、いわば「出戻り」という点でも異例中の異例となる。

4年間のブランク後、子会社社長を経て

野村初の女性CFOに就任する中川順子さん
野村初の女性CFOに就任する中川順子さん

   中川さんは1988年に神戸大学文学部哲学科を卒業後、野村證券の奈良支店に「事務職」として入社。職種転換制度で東京に異動し、人事部の採用業務や法人顧客の引受営業業務を担当した。

   その後、主計部、財務部課長を経て、夫の海外転職のため04年に退社。4年間の香港滞在後、帰国して08年に野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリーに入社し、同年4月に社長に就任した。同社は、医療法人の経営支援を行う野村HD子会社だ。

   10年6月からは、野村HDの共同副CFOを務めていた。

   今回就任するCFOの仕事は、国内外の機関投資家向けに決算内容や財務戦略を説明する要職で、財務部門トップであるとともに「会社の顔」のひとりとなる。保守的な日本の金融機関で、女性がCFOに就任するのは極めて珍しい。

   なお、中川さんは01年の野村證券のニューヨーク証券取引所上場に携わった経験があり、実務を十分理解しているといえる。

   中川さんのCFO就任と同じ日に、野村HDは米リーマン・ブラザーズ出身のジャスジット・バタール専務を、副社長およびホールセール部門のCEOに昇格させる。国籍、性別の壁を取り払って実力主義の登用を行う姿勢の表れと見ることもできるだろう。

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