ルールやマナー違反だけでない 車内通話の不快さ

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   PRが行き届いてきたせいか、電車内や店内などでケータイの通話をする人もめっきり減ってきました。

   それでも、まだ時々、話している人を見かけます。

>>ケータイとほほ観察記・記事一覧

ワケの分からない独り言は不気味

   車内や店内での通話は何も法律で禁止されているわけではなく、「お控えください」といった「要請」、あるいは電車の運行、店舗の運営を行う会社が定めた「ルール」として「止めてくれ」と言われているだけです。

   ですから、絶対に通話をしてはいけない、ということではありません。

「でも、電車や店舗にいる時、自分の隣や近くで通話されると、無性に腹が立つよね。あれ、何でなんだろうね?」

   30代の会社員、Aさんが言いました。

   同僚のOL、B子さんは「マナー違反にムカつく、ってことでしょう?」と答えたのですが、Aさんは「そういう理屈的なことじゃなくて、なんだよね」と反論します。

   そう言われて、筆者も考えてみました。

   図書館ならともかく、車内も店内も決して静かな場所というわけでもありません。むしろ、店内などはウルサいぐらいのことのほうが多い。

   静寂や落ち着きを乱されるからムカつく、というわけではないのです。

   マナーはいったん置くとしても、確かに生理的に気分が悪いのはなぜなのか?

   Aさん、B子さんと一緒にしばらく考えた後、ハタと気づいたのが、通話は会話としては周囲に聞こえない、という事実。

   通話している本人は会話をしているのですが、周囲に聞こえるのは通話している人物が話している声だけで、通話相手の声はほとんど、またはまったく聞こえてきません。

   つまり、一人でワケの分からないことを喋っているのを聞かされているのと変わらない、ということになります。

井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
姉妹サイト