インテリジェンスが運営する転職サービス「デューダ」は、約1万7000人の転職希望者を対象とした意識調査を実施した。
転職を希望する理由は「会社の将来性に不安」(12.8%)が3年連続で1位となったが、前年比で1.9ポイント減少。2位の「他にやりたい仕事がある」(11.4%)が増加して1位との差を縮めた。このほか、3位の「給料に不満がある」、5位の「残業が多い/休日が少ない」といった労働条件改善型の項目でも回答者が増えている。
20代の不満は「給料」と「休み」
業界別に「全体平均」と比較分析すると、業界特有の問題が透けて見える。例えば「金融業界」に勤める人の転職希望理由は「他にやりたい仕事がある」が1位ではあるが、5位の「顧客のためになる仕事がしたい」が平均より4.0ポイントも上回っている。
推測ではあるが、業界として「いまの仕事は顧客のためになっていない」という不満が溜まりやすい状況があるのではないか。
同様に、IT・通信業界では3位の「専門知識・技術を習得したい」が平均を2.6%上回る。小売・外食では2位の「給与に不満がある」が4.3%、4位の「昇進が望めない」が4.4%上回っている。
IT業界では自分のスキルの低さと経験不足に、外食業界では給料の低さや将来のキャリアに、それぞれ不安を持つ人が多いという話を聞くが、それを裏付ける結果ともいえる。
年代別に見ると、30代と40代では「会社の将来性に不安」が最多だが、20代では「他にやりたい仕事がある」がトップ。若い世代は、会社よりも自分の将来の方に興味があるということだろう。
「給与に不満」を挙げた人は、20代では9.0%なのに対し、40代では3.3%。「残業が多い/休日が少ない」も、20代が6.6%で、40代が1.9%と大きく差が開いている。
40代の労働条件が恵まれているのか、それとも中高年の雇用不安を考えれば労働条件など二の次なのか。いずれにしても20代には「もうこんな環境では我慢できない」というフラストレーションが相当溜まっていることがうかがえる。