「有休取ったらボーナス減額」 そんな会社は多いのか

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   有給休暇の取得率が上がらない日本の労働者。取得できない理由として「取りにくい雰囲気」とあいまいな説明をする人もいるが、よく聞くと「有休を取ると給与に影響が出る」という会社もあるようだ。もちろん、このようなやり方は違法だ。

「耐えられなければ辞めるだけ」手当で調整する会社も

社長は知らないのか、知っていてやっているのか
社長は知らないのか、知っていてやっているのか

   Aさんが勤める関東圏の中堅商社では、有休を取得すると賞与が減らされる。「有休の取得日数」に応じて査定が下がり、営業成績が上位の人でも、体調不良や私事都合で会社を休むと、査定が中の下になることも。

   査定の基準は公表されていないが、ことあるごとに社長が「休みを取るやつはボーナス下げるから」と口にしている。他の社員と査定を突き合わせた結果、「やっているのは確実。社内の常識になっている」とAさんはいう。

   職場に不満は出ていないのかと聞くと、

「有休は取ってはいけないというのが当たり前なので、もう慣れてしまった。休まなくて済むように体調管理をするしかない。耐えられなければ辞めるだけです」

という諦めの答えが返ってきた。

   Aさんの知人Bさんが勤めるメーカーでは、月1万円の「皆勤手当」を支給しているが、1日でも有給休暇を取ると、その月の手当が支給されなくなるという。

   もちろん、これらの取り扱いはともに労働基準法違反だ。労基法136条は「有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない」としている。有休の取得を妨げるものであれば、手当の減額であっても同じことだ。

   この規定は、昭和63年4月に施行された改正法によるもの。昭和の時代には、このような理不尽が多くの会社で横行していたということを意味するのだろう。しかし、Aさんの会社ではいまだに同じことが続けられている。

   かつて、若手の営業マンが抗議したところ、社長は査定の基準を公開していないことを盾に「減額は総合的に判断している」「有給休暇の取得だけとは限らない」と言い逃れをしたそうだ。その若手はすぐに退社したという。

   中小企業をクライアントに持つ社会保険労務士によると、

「独立した人事部門を持たないオーナー企業で、この手の違法行為が行われることが多い」

という。社長は悪いことと知っているのか、知らないだけなのか。いずれにしても、これでは年休の取得は進むわけがないし、優秀な新卒学生も中小企業に流れていかない。

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