2010年の年末に掲載した記事に、コメントが100件以上寄せられている。記事の後につけた「1クリック投票」でも1300票を獲得。2ちゃんねるや人気ブログでも取り上げられるなど、反響が拡がった。
「『遅延証明書』を求めて列をなす光景に違和感あり」=10年12月28日夕方、J-CAST会社ウォッチ。人身事故などで運行が遅れた電車の乗客が、降車駅の改札で「遅延証明書」を受け取るために並んでいる光景を取り上げた記事だ。
「世間知らずが書いた記事」2ちゃんねるにも非難殺到
「証明書ナシの方が早く会社に到着するのに、わざわざ列に並ぶのは本末転倒という気もする。(中略)残業時間を厳密に管理していない会社なら、遅刻分の勤務時間を控除することなど『もってのほか』としか言いようがない」
と指摘した記事は、28日深夜にネット掲示板の「2ちゃんねる」に転載され、1時間で500近いレスが付いた。その多くは、記事を強く非難するものだ。
「会社勤めした経験のない世間知らずが書いた記事ですね」
「口頭で連絡しても証拠がなければただの『ウソの言い訳』だ」
「ボコボコにぶっ飛ばしてやりたいな」
元記事のコメント欄にも、「世の中わかってないですね」「性善説で動いていては正直な人がばかを見たり、サボってもわからないことはサボる人が出てくる」など、11年1月7日現在で110件のコメントが寄せられている。「バカ野郎」「死ね」など非表示のものを含めると、150件を超える。
流れが変わったのは、年明けの1月3日。人気ブログ「ニートの海外就職日記」に、「遅延証明書に見える、いかにも日本らしい非効率さと理不尽さ。」というエントリーが掲載されてからだ。
海外の企業が始業時間に鷹揚であることを紹介した上で、J-CASTの元記事とコメントを引用。「遅延証明書」のために更に出社が遅れ、駅員の仕事を増やしていることのムダを指摘している。「1分でも遅刻は遅刻です」という反論に対し、
「残業代は払わんくせに、遅延証明書がないと(遅刻で)給料天引きなんて言ってるクソ会社って、お前らが大嫌いな権利だけ求めて義務を果たさない典型だぞ」
とバッサリ斬って捨てた。
人気ブログの「擁護」でコメントも一変
このブログ記事には、はてなブックマークの登録やツイッターでのコメントが急増。そのほとんどが、記事に賛意を表したものだ。
「日本の労働生産性が低いのは勤勉さが足りないんじゃなくて、神経質すぎるからだと思う。皆もっと『いい加減』になれれば楽になるんだろう」
「どうでもいいところでもガチガチに保証して、大事なところを見落とすのも日本人らしいかと」
タイミングを同じくして、元記事のコメント欄には「日本の企業ってめんどくさいね」など、遅延証明書への違和感を打ち明けるコメントが増えている。
ネット上には「言われてみればそうだよなあ」というつぶやきに、「言われてみないと分からねえのかよ」「どんだけ毒されているんだ」と突っ込む人もいた。
ブログの筆者である「海外ニート」氏は、オーストラリアに留学後、現地のデザイン会社に就職。現在はシンガポールの外資系企業に勤務しているようだ。普段から日本企業の労働環境の息苦しさを批判して、人気を集めている。
なお、元記事の「1クリック投票」では、「会社の手続きで必要なので『遅延証明書』をもらう」と答えた人が57.8%(751人)いたが、「会社の手続きで必要でも、証明書をもらわない」と答えた人も10.2%(133人)いた。