京都市は、47歳の男性係長を停職5日の懲戒処分とした。毎週水曜日の「ノー残業デー」に残業していたことをとがめた課長に対し、激高して体当たりしたり、「あほ、ぼけ、いてもうたろか」「半殺しにしたろか」などと暴言を吐いたりしたことが理由だ。
市では、2人の間で仕事の進め方について普段から意見の相違があったことや、他の職員の長期病欠によって係長の負担が増えていたことがトラブルの背景にあると見ている。
「俺なら喜んで帰る」「机の下に隠れればいい」
この事件が報道されると、ネット上には、係長がなぜそこまでして残業をし、かつ上司に激高したのかを想像するコメントが寄せられている。
「残業代目当てで残っていたのに、帰れと言われて頭に来たんじゃないの?」
「残業が必要ない体制を整える努力もしないでノー残業デーなんか作っても、無能な上司が早く帰れる日にしかならない」
仕事量が増えているのに人を増やさず、それでいて仕事するなと言われたのであれば、たしかにイライラも募るだろう。「この負のスパイラルはよくあるね」「他の職員の病欠もそれが原因では」と同情する声も上がっている。
一方で、「俺なら喜んで帰ってしまうけどな」という人も。「仕事終わってなくても、上司に責任をなすればいい」
しかし、この職場が市の納税課であることを指摘して、終わらなかったら仕方がないでは済まされないプレッシャーがあったのではと想像する人もいる。
「税金を取り立てる部署は、納期やノルマに対する担当者のプレッシャーは半端じゃない。他の呑気な仕事と一緒にできない」
ノー残業デーのコストダウン効果を出すためには、すべての部署が退庁・退社して空調も電気もオフにする必要がある。しかし、部署によっては曜日で「残業なし」を決められても困るところもあるだろう。月末や月初、年度末に繁忙期が来る仕事もある。
ある職場ではノー残業デーを導入したものの、「仕事量が変わらないから、他の日の残業が増えたり、始発で来て仕事するハメに」なり、2カ月で中止になったという。
管理職や組合が「帰宅の確認」のために巡回する時間には、「机の下に隠れていればいいんだよ」と助言する人も。ノー残業デーのしわ寄せは、見えないところに行っているようだ。