ベネッセコーポレーションが従業員100人以上の会社に勤める会社役員412人を対象に調査したところ、過去の「受験勉強の経験」は、仕事をする上で「役立っている」「それなりに役立っている」と答えた人が76.2%となったという。
特に、高校受験を通じて身につけたもの(複数回答)としては、「目標達成に向け努力する姿勢」が50.6%と最も多く、「自ら学び考え、実践する自学自習力」(38.4%)、「やらなくてはいけないことをやりぬく忍耐力」(37.4%)が続いた。
身についたか「目標管理や自己管理のすべ」
会社役員という一定の社会的成功を収めた人たちの多くは、受験期に努力した経験がその後の社会人生活にも活きていると答えているということだ。
しかし、この結果にはネット上に反論が上がっている。
「勉強ってそもそも楽しむもの。我慢したり苦行のようにやるもんじゃない」
「青春時代に若いエネルギーを学力向上に費やすことによる代償は無視できない」
簿記やマーケティングなど、ビジネスに直接関係する科目が義務教育にないので、「役に立っているわけがない」とコメントする人もいる。
一方で、仕事は課題を達成するプロセスであるから、受験勉強の経験が活きる余地は十分にあるという人も。
「努力すれば結果が出るんだから、この程度を乗り切れない人間が社会で提示される課題を解決できるわけがないわな」
「受験を乗り越えるたびに、課題解決の方法や目標管理、自己管理のすべを身につけていったんだと今にして思う」
とはいえ、受験勉強の「勝者」である高学歴の人たちが、必ずしもビジネスで成功するわけではないという意見も多数上がっている。
「高学歴社員は状況分析の説明は素晴らしい。でも創意工夫と新規開拓ができない」
「お勉強のできる高学歴が多数入社するようになってから、ドンドン社運が傾いていった会社があるな」
受験勉強を通じて、目標管理や自己管理の能力が身についた人は、会社の課題達成に貢献できる人材となる可能性がある。しかし、このような能力の有無は、最終的な学歴の高さだけでは判断できないのが悩ましい。