2010年11月9日、オンラインショップのアマゾンに、音楽データを購入できる新コーナー「MP3ダウンロード」が開設され、話題となっている。楽曲ごとの購入が可能で、個人利用の範囲内ならファイルのコピー回数に制限のない「DRMフリー」を採用している。
「クラブはバーの子会社だった」
オープン初日にダウンロード1位となったのは、無料配信楽曲のひとつである「連結決算」。風変わりな名前だが、さまざまな時事用語をラップに乗せた「経済ラップ」の第一弾である。
♪親会社の売り上げだけを
知っていてもそれじゃ意味ねぇ
銀行も株主もこのオレも
連結決算しか信用しねぇよ(「連結決算」より)
歌詞の世界は、こんな感じだ。六本木でバーの店長をしている友人から、独立資金として「100万貸してくれ」と頼まれた。このお金で開いた青山のバーも無事繁盛し始めたので、貸したお金を返してくれと言ったところ、「経営は順調だからもうちょっと待ってくれ」との返事が。
店の売上報告書を見せられ、「心配ない」と説得されたのも束の間。実は裏で問題が起きていた。バーの儲けをつぎ込んだ西麻布のクラブで大失敗していたのだ。友人は「別会社だから関係ない」の一点張り。
しかし、あっという間に資金繰りは悪くなり、友人は夜逃げ。そこで「クラブはバーの子会社だった」「決算は一緒にすべきだった」と気づくのである。
なんとも異色の世界だが、ネット上でもさっそく話題となり、10日午前中にはニコニコ動画に早くもリミックスの動画がアップされている。
原詞の作者は、J-CAST会社ウォッチで「稼げる人の仕事術」を連載している、セレブレイン代表・高城幸司氏。これをベースに久保田洋司氏がラップ詞を作成し、元トリカブトのSmallest氏がマイクを取っている。
経済ラップは、このほか「減価償却」が発売中だが、近日中に「日経平均とTOPIX」を有料配信。今後は「マネーサプライ」「ダウ平均」「赤字国債」「在庫」「東証含む証券市場」などのタイトルを配信予定だという。さて、どんな歌詞になるのか。