ヒマもカネもあった 「昔の課長がうらやましい」

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   上場企業の課長を対象とした調査によると、「昔の課長がうらやましい」と答えた人は84.3%にのぼったという。うらやましさの理由は、「仕事に時間的な余裕があった」が約半数。「処遇がよかった」「今ほど成果を強く求められなかった」も上位となった。

時給換算では「ヒラ社員より低い給与」

昔はパソコンもインターネットもなかった
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   産業能率大学が実施した「上場企業の課長を取り巻く状況」に関する調査。従業員100人以上の上場企業に勤め、部下1人以上を抱える課長428人が回答している。

   回答者の約9割が「課長としての悩み」を抱えているが、最も多かったのは「業務量が多すぎる」という悩みで33.6%。次いで「部下の人事評価が難しい」「部下がなかなか育たない」「上司と考え方や意見が合わない」「思うような成果が出せない」などが続いている。

   また、回答者の55.1%が「仕事の割に給与が低い」と不満を抱いている。

   この結果に対して、ネット上には、課長職と思われる人からの嘆きが書き込まれている。

「時給換算すると一般社員より全然低い給与だな。毎日社員に一般常識から教えていかなければならないので、最近は中学校の教員になった気分」

   自らプレーヤーとしての成果を要求されつつ、デキの悪い部下の育成や、組織としての成果も求められ、ウンザリしているようだ。「下から見ても課長クラスが一番可哀そうな役職」と同情する声もある。

「専務の指示で売り場の棚の位置を変更したのに、売り上げが落ちた責任を問われているのを見ると・・・」

   敵は下にも上にもいる中間管理職ならではの悩みだ。一方で、「今課長ってことはバブル世代か・・・。部下はもっと辛いじゃんw」と揶揄する部下の声もある。

「昔の課長」は閑職でノンビリ

   それでは、うらやましがられている「昔の課長」は、今なにをしているのだろうか。

   ある書き込みによれば、

「全員閑職に追いやられ、給与も下げられ、毎朝ほうきとチリトリを両手に、道行くリーマンたちに明るくあいさつをしている」

というような人もいるということだ。

   東京・港区の会社で事務職を20年続けている40代の女性も、自分が入社したときの課長が部長で役職定年を迎え、いまは「参与」の肩書きでノンビリ過ごしているのがうらやましいという。

「景気がよかった頃には山のような仕事をこなし、毎晩飲み歩いていましたが、仕事が激減したいまは、すっかり暇そうにしています。出社して朝刊を読み終わったら、11時ころから行きつけの定食屋に行き、午後はなじみの取引先と雑談して、夕刊を読んで帰る毎日。仕事はほとんどしていないんだけど、過去の実績があるから定年までは安泰のようですよ」

   高度成長期に波に乗り、厚遇を得て、晩年はストレスのない閑職で悠々自適な毎日を送る。次世代には望めない、サラリーマン人生の幸せの形なのかもしれない。

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