職場の喫煙について、議論が再燃している。神奈川県の松沢知事は、職場の全面禁煙または喫煙室の設置を義務付ける条例改正を、2011年度に行うことを検討していると述べた。
また、英国のある地区で、「職員のタバコ休憩は勤務時間外」と定めた規則の適用を開始したとロイターが報じている。フレックスタイムを応用し、喫煙で仕事から離れる時間を勤務時間から控除し、非喫煙者との公平を図るらしい。
机から離れて考え直す時間は大事
非喫煙者の割合が高いとされるネットユーザーからは、以前より「タバコ休憩はサボリ」「喫煙者だけブラブラしていて不公平」という意見が挙がっていたが、これらのニュースを受けて、さらに声が大きくなっている。
仕事中に1日12本、1本あたり5分間タバコを吸うとすると、1日あたり60分の休憩となると試算し、「給料同じなの、おかしいだろ?」という人も。
このような意見に対し、喫煙者からは反論がなされている。
「労働時間の差かよ。バイトじゃあるまいし、重要なのは成果だろ」
ホワイトカラーの仕事には、時間の使い方を労働者に任せ、成果を重点的に評価したほうが効率や効果が上がるものもある。就業時間中は行儀よく着席すべし、という考え方は古めかしい。喫煙者専用のスペースの設置に批判を強める非喫煙者に対しては、
「一服して落ち着けよ」
「職場のコミュニケーションに雑談は不可欠なんだ」
と呼びかける喫煙者もいた。「仕事をちょっと離れて振り返って考え直す事は大事だよね。コーヒーでも飲みながらそういう時間は持った方がいい」という指摘には、それなりに説得力がある。
今後、法や条例の改正で喫煙室を設ける職場では、コーヒーなどを飲みながら雑談できるリラックススペースを同時に設けると、非喫煙者からの反発が弱まるかもしれない。