シャープが日本の電機メーカーで初めて「研究開発部門の社内公用語を英語にする方針を固めた」と、産経新聞が報じた。シャープ広報室に取材したところ、「そのようなことを決めた事実はない」ということだった。
とはいえ、日本の電機会社は、売り上げのほとんどを海外で上げる韓国企業に市場を席巻されているのが現状。絶好調の韓国サムスン電子では社内公用語を英語にしているといい、これを真似た取り組みが進められる可能性はある。
あいまいな社内処分が世界の笑いものに
ネット上には、産経の報道に対して「いよいよ本格的に始まった」「うちの会社もやってほしい」という反応もあったが、この流れに懸念を示す人もいた。
「社内資料が英語化されたら機密情報ダダ漏れになるぞ」
これまで社内資料は日本語だけで作成されていたから、万一社外に出ても理解できる人は少なかった。しかし、社内コミュニケーションが英語化されると、社内の情報を社外に漏らす人が増えたり、海外の競合が悪用しやすくなったりすることはありうる。
それが技術情報であれば、会社の競争力にも関わるし、社員の不祥事に関する社内文書であれば、使う言葉が英語になっただけの「日本的なあいまいな処分」に対して、ネットを通じて批判が集まることもあるかもしれない。
英語公用化が、社内セキュリティ上の問題を拡大するとは、「風が吹けば桶屋が儲かる」ような話であるが、社員英語教育とともに重要な課題になる可能性もある。