ある調査によると、結婚して戸籍上の姓を「配偶者の姓」に変えた女性のうち9割以上が、勤務先などで使う「対外的な姓」もあわせて変えているという。かつては職場で旧姓を使い続ける人もいたが、いまでは圧倒的な少数派になっているようだ。
離婚後は「そのまま」約半数
この調査は、結婚情報サービスのオーネットが、20~50代の離婚経験を持つ女性500人を対象に行ったもの。結婚して戸籍上の姓を変えた319人のうち、勤務先で旧姓のままで通す人は、わずか28人(8.8%)にすぎない。
離婚経験者という、やや特殊なサンプルではあるものの、職場でも「戸籍上の姓」を名乗る人が大多数になっているようだ。都内出版社に勤務する30代女性も、結婚を機に「配偶者の姓」で名刺を作り直した。
「私の周囲では、もう10年近く前から普通になっていますよ。職場や取引先もそんなに混乱しないだろうと思ったし、慣れの問題なら早めに変えたほうがいいと思って」
メールアドレスも新しい姓で作り直し、古いものは「ゆくゆくは廃止する」という。同じ職場には旧姓で通している大先輩もいるが、「キャリア志向の女性が肩ひじ張らないとやっていけない時代もあったのでは」と分析する。
また調査では、結婚して対外的な姓を変えた291人のうち、離婚後もそのままの姓を使っている人は143人(49.1%)もいた。意外と多くの人が、配偶者の姓を使い続けている。うち114人は、ひとり以上の子持ちだ。
いちど変えた姓を元に戻すのがわずらわしかったり、子どものために以前の姓を続けたりする人がいるのだろう。「こんなことなら旧姓のままでもよかったな」と思う人もいるかもしれないが、こればかりは前もって分かることでもない。