ケータイ持ってる人に連絡取れないなんて

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   飛行機の中でケータイの音楽を聞くときや、夜中のメールを受信せずに目覚ましアラームを使いたいとき、「電波OFFモード」を使うと便利です。

   キャリアによって呼び名が違いますが、ケータイの電源を入れたまま電波の送受信だけ停止する方法です。映画館で電源を切らずに電波だけOFFにする人もいます。

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便利な設定だけどリスクもある

   先日、ケータイの「電波OFFモード」をオンにしたまま、そのことを忘れて半日を過ごしてしまいました。

   「今日は珍しく、どこからも連絡がないな」などと呑気に考えていたのですが、午後も遅くなってから連絡をしようとケータイを見てビックリ。

「電波OFFモード切るの忘れてた!」

   慌てて電波OFFモードを解除して着歴を確認すると、実際には前日の夕刻から20件近くの連絡が入っていたのです。

   そのなかには、登録のない固定電話やケータイからの連絡も3件。

   新たな仕事を1つか、最大で3つもフイにしてしまったようです。

   履歴の古い順に折り返すと、親しい仕事先の人から「いやあ、ずっと出られないになっていたので、事故に巻き込まれたか緊急入院でもしたのかと、最後には心配になっちゃいましたよ!」と、異口同音に怒られてしまいました。

   同じようなことをやってしまったのが、広告やパンフレットなどを制作する会社に勤める営業マンのAさん。

   午前中に直属の上司や同僚と3人で客先へ出向き、新しい案件の合同オリエンテーションに参加。

   このとき、集合時間ギリギリに着いたAさんは、ボタン操作の煩わしさから「とりあえず」と思ってケータイの電源を切りました。

「マナーモードだと、音は鳴らないけどバイブが振動してしまうんです。着信音は論外ですが、バイブのビービーいう音がオリエン中の会議室で鳴るのも、みっともないし迷惑じゃないですか」

「GPSで居所を確認しようかと思ったよ」

   帰途、バッタリ旧知のクリエイターに出会い、「ちょうど頼みたい仕事があるから」と4人でランチミーティング、上司と同僚が中座したところでよもやま話となりました。

   やはり、「今日は珍しくどこからも連絡がないな、まあ、このまま楽しく話していようかな」と、心の隅で考えていたそうです。

   気づくと、もう午後3時前。クリエイターと別れ、会社に連絡を入れようとケータイをカバンから取り出し、真っ暗な液晶を見て「アッと思って、血の気が引いた」。

   「朝の10時から5時間ほどもケータイを切りっぱなしにしてたんです。別の客先から、すでに進めている案件のスケジュールを変更したいと、何度も連絡が入っていたそうで、部長からこっぴどく叱られました」

   冷や汗をかきながら先方へ連絡を入れると、普段は親しげな担当者の声が冷たく尖って聞こえたとか。

「会社へ帰ると、先に帰っていた上司が『たしかに仕事をしていて、サボっていたわけではない』と言ってくれていたようで、部長はキツい注意で済ませてくれたんですけどね…。サボりもそうですが、事故に遭ったかもしれないとなって、一時はGPSで居所を確認しようかみたいな騒ぎになっていたと、後になって聞かされて恐縮しちゃいました…」

   まあ、こればっかりは、自分の責任で気をつけるしかありませんね。

井上トシユキ


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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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