20代のビジネスパーソンに聞いた、コブスオンラインの「この会社にいてよいのか不安になる瞬間」ランキング。男女ともに「給料が安い・上がらない」がダントツの1位。2位は「残業代・ボーナスが出ない」で、金銭問題がワンツーを占めたが、仕事のやりがいや将来性への危機感も少なからず抱えているようだ。
一人暮らしなら「ワーキングプア」
「給料が安い・上がらない」は、男性では47%、女性では51%の人が不安に思っているという(複数回答)。28歳の女性エンジニアは、「もう7年目なのに給料が全然上がらない」と嘆いている。男性からも、
「待遇がアルバイトとほとんど変わらない」(29歳男性・精密機器)
「他の会社で働いている友達の方が給料がいい」(24歳男性・航空)
という不満が。隣の芝生が青く見えてくれば、他社への転職も頭をよぎる。「給料の支払いが不安定」(23歳女性・教育関連)、「一時期、給料の未払いがあった」(25歳男性・広告業)という深刻な状況の人もいた。
実家住まいの男性からは「一人暮らしをしたらワーキングプアになってしまう」(28歳・金融)、女性からは「一生独身だとしたら今の給与ではやりくりできない」(26歳・福祉)という悲鳴も。社員の生活を保障できる給与を出せない会社も少なくない。
とはいえ、会社も無い袖は振れないし、「嫌ならよそへ行ってくれ」と言うしかない。しかたなく副業で収入を補うことも考えられるが、目の前の仕事が忙しく、とてもそんな余裕がないのが現実のようだ。男性の3位には「仕事量が多すぎ」、5位には「残業や休日出勤が多い」がランクインしている。
「ほぼ毎日帰宅が深夜」(29歳男性・医薬品)
「仕事が忙し過ぎてそのうち潰れてしまいそう」(27歳男性・機械)
「年数分の成長している気がしない」
女性の3位には、「自分の成長を感じられない」が挙がった。男性でも4位に入っている。
「経験年数分の成長をしている気がしない」(28歳女性・金融)
「何となく業務を続けており、他の会社では働けなくなっている気がする」(29歳男性・教育関連)
というのが、彼らの声だ。
仕事なんて言われたことをやって、給料もらえて食えれば十分じゃないか、という考えもあるが、日々の仕事を通じて実務経験を積んでいる手ごたえがあれば、将来のキャリアアップに労働条件向上のかすかな望みを託することができる。
勤務年数に応じた成長が実感できない焦りは、「いつか会社は、もっと給料が安くて体力のある若い人や外国の労働力と、自分を置き換えるつもりなのではないか」という不安につながっているのかもしれない。