「ソーシャルゲーム」になだれ込むユーザーとは?

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   推計でユーザー900万人、市場規模900億円というソーシャルゲーム。

   ケータイやiPhoneで遊んでいる人を、街なかや車内、喫茶店内などで見かけることも、もはや珍しくありません。

   ただ、8割のユーザーは麻雀やテトリスなど、無料で遊び続けられるゲームをやっていて、アイテム等で課金されるタイトルで遊んでいるのは2割に過ぎないそうです。

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いつでもどこでも、パチンコより安く遊べる

   その2割のユーザーは、どんな人なのか。

   探してみると、案外近くに居ました。タレントさんなど芸能人です。

「ロケや収録って、移動や待ち時間が結構あるんです。そんな時でも、ケータイは必ず持っていますから、自然とソーシャルゲームをやるようになったんです」

   ある男性タレントさんは、こう言います。

   10代、20代ならともかく、30代ともなると、仕事場に携帯ゲーム機を持っていくのも憚られる。でも、長時間の移動や天気、準備などを待っている時、暇でやることがない。

「特に、眠くない時や食事を終えた後に時間が空くなんて最悪。以前はメールもしてましたけど、相手が忙しかったら返信も来ないし。その点、ソーシャルゲームは、暇つぶしにもってこいなんですよね」

   かつては、ロケなどで空き時間があると、すぐに近くのパチンコやパチスロに飛び込む人もいたのだとか。

「ソーシャルゲームなら、ケータイさえあればいつでもどこでも遊べますからね。まあ、電波の届く所に限られるって制約はありますけど、パチンコ屋を探し回るよりはぜんぜん楽だし、パチンコやパチスロで使うのと課金アイテムで使うのでは、お金の額も違いすぎるし」

   実は、消費者金融への上限金利の引き下げ、貸し出しの総量規制によって、もっとも「ワリを食う」のが、パチンコ、パチスロ業界だと言われています。

   多くのパチンコ、パチスロユーザーが、消費者金融を利用しつつ遊興しているからです。

   今後、彼らが、よりお金のかからないソーシャルゲームになだれ込んで来る、なんてこともあるのかもしれませんね。

   ソーシャルゲームはもちろんのこと、パチンコ、パチスロもいまやITの塊ですし、遊ぶ方も違和感がないんじゃないか、と。

井上トシユキ


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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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