北欧デザイン家具の製造・販売を行うイケアが、2010年10月より法人・個人事業主向けの会員サービスを本格展開する。イケア製品で構成する店舗やオフィスの設計相談を割安で受け付けるなどの会員特典を打ち出している。
「仕事環境における日常」をサポート
イケアは世界最大の家具チェーン。これまで主な事業対象を「家庭における日常」としてきたが、職場での製品利用が増えてきたことを受けて、今後は法人・自営業者の「仕事環境における日常」の充実へも拡張する。
10月1日に開始した無料会員制では、店舗やオフィスの図面に基づいた最適な家具やレイアウトの提案を割安で受けられる特典を設けた。また、10月30日までは商品購入5万円ごとに1万円のギフトカードを提供するキャンペーンも実施している。
これに先立ち、船橋店で開かれたカンファレンスでは、スタッフが実際に働いているオフィスを部分公開。原則固定席のないフリーアドレス制で、メンバーの顔写真が入った掲示板や、コーヒーブレイクもできるキッチン(給湯室)などが設けられている。
イケア・ジャパンのオフィスには社長室や役員室がなく、社長のラース・ペーテルソン氏は小型の円形デスクを使うことが多いという。
「社長の主な仕事は、スタッフとのコミュニケーションを取ること。円形デスクは幹部や従業員と対面するときに堅苦しくなく、自由な意見交換がしやすい」
というのがその理由だ。
オフィス設計の一例は、ウェブ制作・出版を行うインフォバーンのウェブサイトでも確認できる。同社は10年8月のオフィス移転にあわせ、家具の選定・導入をイケアに依頼。サイトでは、「肩こりと腰痛の原因だった椅子を入れ替え」「休憩スペースに家庭用家具を置く」など、インテリアデザイナーが実際に導入したノウハウを紹介している。