先日、深夜まで取材をするハメになりました。
翌日は7時の新幹線で出張予定になっており、仮眠を取るため寝床へ行こうとしたその時、ケータイが鳴りました。
忘れてきたケータイが鳴った気が
ふとんにもぐり込みつつ、情報交換をし、そのまま枕元にケータイを置いて寝てしまったのです。
ケータイを置き忘れて外出したことに気づいたのは、新幹線の改札口を通る寸前。
仕事場を出るとき、何か足りないな、と一瞬思ったのですが、案の定でした。
しかたなく出張に出かけたのですが、妙なことが起きたのです。
考え事をしながら歩いていると、ケータイのバイブが鳴動したような気がするのです。
あれ、と思って鞄の中をあらためると、やはりケータイはありません。
「いやいや、今日は忘れたのだから」と思って席に座っていると、今度はお尻のポケットでケータイが鳴ったような気がします。
結局、東京の仕事場に帰ってくるまで、あるはずのないケータイが鳴っているような気に、何度もなったのでした。
「それって、ファントム・リング現象って言うんだよね。ネットでも一時期、話題になってたじゃん」
そう教えてくれたのは、知人の若い女性です。
原因はストレス?
恥ずかしながら、ぜんぜん知りませんでした。
「ケータイが鳴ってる、と思って取り出すと鳴ってないなんてこと、私も何度もあったよ。原因はよくわかってないらしいんだけど、ストレスなんじゃない?」
ほかの友人や知人に訊ねてみると、確かに多くの人がファントム・リング現象を経験していました。
暇なときほど経験する人もいれば、極端に忙しいときに必ず体験する人もいて、原因を探るのは容易ではありません。
「深夜までバタバタして、ケータイを忘れて仕事に行くってのが強いストレスになって、幻聴のような感じになったんじゃない?」
じゃあ、暇なときに経験する人は?
「暇だってこと自体がストレスになってる、とか」
と、こんな感じで、いろいろなことを言う人がいました。
いずれにせよ、ストレスを感じやすい世の中にいるということと、ケータイにものすごく縛られて生活しているということ、この2つは確かなようですね。
井上トシユキ