部下にハサミ投げつけた上司 驚くべき「言い訳」

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   大阪府の会社で、「和ませるため」と言いながら部下にハサミを投げた上司がいたことが分かり、ネット上で話題になっている。このケースが紹介されているのは、厚生労働省の大阪労働局が2010年6月28日に発表した「個別労働紛争解決援助制度運用状況」。いわゆる労使間のトラブルを裁判外でスピーディに解決する制度の運用状況を紹介した資料だ。

退職に追い込む卑劣ないじめ

「トイレと食事以外は動くな」と言われたケースも
「トイレと食事以外は動くな」と言われたケースも

   それによると、2009年度に大阪労働局が受け付けた民事上の個別労働紛争に関する相談は、前年度に比べて11.4%増加し、2万2472件で過去最多を更新した。内訳は「退職勧奨」「職場でのいじめ・嫌がらせ」「雇い止め」が上位となっている。

   資料には、上司からの「いじめ・嫌がらせ」の事例として、

「課長代理から『和ませるため』と言いながら、ハサミを投げたり、罵ったり暴言を吐いたり仕事のミスでしつこく嫌味をいわれた」
「客からのクレームで筋違いのきつい叱責を受け、体調不良となり申し出たところ、所長より『俺も鬱になりたいわ』と嫌味を言われこと等の積み重ねにより精神状態を悪くした」
「パート・アルバイトであったが、人のいないところで上司から度々暴力を受け、他の社員から『辞めろ、辞めろ』と言われ、精神的なダメージを受けた」

といったケースが紹介されている。さらに、離職にまで追い込まれた事例として、

「営業で支部長から『売り上げが上がらなければ、架空契約でも何でも取って来い』と嫌がらせを受け、やむなく退職せざる得なくなった」
「退職勧奨を受けたが、拒否して出勤したところ、小さな部屋に入れられ、イスに座ってトイレと食事以外は動くなと言われ、退勤を余儀なくされ、離職せざる得なくなった」

といった壮絶なケースも紹介されている。厳しい解雇規制をくぐり抜けるために、いじめによって退職に追い込む卑劣なケースが増えているようだ。

   このような事例は、各労働局が発表する同種の資料に掲載されているが、多くはトラブルの概要の紹介にとどまり、大阪のような生々しいケースが掲載されているところは少ない。

   この点について、大阪労働局企画室の担当者は、表現の形については担当部内で検討した結果であったと明かす。

「いじめ、パワハラは、叱咤激励などとの境目を示す明確な判断のガイドラインがない。抽象的な表現では実態を反映できないと考え、当事者が特定されないよう配慮しながら、できるだけ具体的な表現を取ったほうがよいと判断しました」
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