リクルートは2010年7月20日、11年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象とした「就職活動実態調査」を発表した。回答者は4803人。それによると、就職活動の相談相手は「友人・知人」という答えがもっとも多く、次いで両親などの「保護者」となった。
「企業探し」「エントリー」を代行する親も
実際に保護者に関わってもらったことの1位は「自己分析(他己分析)」。確かに親であれば、子どもの性格を踏まえて助言をくれそうだが、大学生にもなって頼りないという気もする。
親の関わりは、このほか「エントリーシート作成」や「面接対策」、就職情報サイトでの「企業探し」や「エントリー(応募)」「企業への問い合わせ」にも及んでいる。
就活生のエントリー企業数は、回答者の7割が「21社以上」と答え、「100社超」も1割以上いるという。多くの会社とのやりとりには手間がかかるし、会社説明会への申込みは一刻を争う。幸いウェブやメールなら、本人以外が手続きをしても分からない。
レジェンダ・コーポレーションが10年7月13日に発表した「就職活動にまつわる川柳」でも、
「母親を/遠隔操作/ウェブ予約」(すぬちゃん)
という作品が佳作になっていた。説明会の予約を、外出先から母親に頼んでいるのだろう。就職活動は、文字通り「親との共同作業」になっているのかもしれない。
会社説明会へ「親が同行」しているケースも、実際にあるようだ。リクルート広報部によると、少数ではあるが父親や母親が説明会場に付いてくる姿が見られるという。
「親御さんが説明会場に入れない会社もありますが、その場合には資料などを受け取って帰られるようです」
とはいえ、就職氷河期には思ったような結果は出ない。今後保護者にしてほしいサポートは、「金銭的なサポート」に次いで「とにかくそっとしておいてほしい」という回答が2位につけた。いろいろ手伝ってはもらいたいが、「どうだった?」「まだ決まってないの?」とたびたび聞かれるのは煩わしいようだ。