平成22(2010)年度の新入社員を対象に日本生産性本部などが実施した「働くことの意識調査」によると、デートの約束があった時に残業を命じられたら「デートをやめて仕事をする」と答えた人は、85.3%にも上ることが分かった。
バブル入社の課長「デートなら残業は強要しない」
一方、「残業を断ってデートをする」と答えた人は14.2%にとどまり、昭和47(1972)年の調査以来、過去最低。仕事優先の傾向はここ20年間続いているが、不況下でいっそう強まっていることになる。
男女別に見ると、仕事優先は男性81.9%に対し、女性88.8%と7.9ポイントも上回っている。デートが後回しになる理由について、ネット上には、
「異性には代わりがいる。仕事はクビになったら最後」
と、ようやく勝ち取った就職先を守りたい様子が垣間見られる書き込みがあった。若手社員と思われる人からは、
「二人のすれ違い感が強まるから、初めから平日は会わないことにした方が、逆に関係が長持ちする。休みの日に会えば十分」
と、突発的な残業に備えて平日にデートを入れないという書き込みも。
一方、「デート優先」が最も高かった平成3(1991)年に入社した中堅商社の40代課長は、「こんなことで仕事に対する真摯さが問われるなんてナンセンス。何がなんでも残業優先ということはありえない」と首を傾げる。
「前から納期が決まっている仕事を、その日のうちに仕上げなければならない場合には、デートが理由で帰ることは決して許されない。でも、当日になって『今日、残業頼めるかな』と聞いたときに、『実はデートがあるんです』と言われたら、僕は無理強いしないし、先約があるなら楽しんでこいよと思いますね」