日本にはネット完備のマンガ喫茶があるじゃないか

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   東京に出張してきた地元の同級生と会いました。

   吉祥寺の喫茶店に来るなり、ちょっと古いケータイ、iPhone、それにiPadの3つをバッグから取り出しました。

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複数の事業を掛け持ちする3個持ちの社長

「え、3個持ちなの?ビミョーに機能がカブってるけど、使い分けはどうしてるの?」

   思わず訊ねました。

「ケータイは通話専用。ワンセグは、よっぽど何かないと視ないかな。
iPhoneはメールやスケジュール管理込みのPDA的な使い方やな。ほら、いまもガールズバーのお姉ちゃんからメール来た(笑)。
ケータイの電池が切れたら、通話にも使うよ。音楽もこっちに入れてる。
iPadはノートPCの代わり。iPhoneとiPadのデータは、家のMacintoshとも同期させてる」

   彼は、複数の事業を掛け持ちしている社長さんなので、モバイル機器の使い分けも不可欠なのでしょう。

   「ジブンは?」と訊かれたので、「ケータイとB5サイズの手帳」と答えると、ずいぶん驚かれました。

   ガラケーだけでは、ツイッターをはじめ、ネット上にある情報を十分に取れないだろう、というのです。

ケータイと紙の手帳だけで問題なし

   ツイッターは、ベースが主観の井戸端会議です。

   そのなかで、客観的に検証が行われたり、証拠となる画像や動画がアップされる「こともある」。

   玉石混淆のままの「情報」がいくらあっても、あまり仕事の役に立ちません。

   それに、取材や会合などで人物の相関図やカネの流れなんかをメモするのは、ペンにノートのほうがやりやすいし、書くことで覚えます。

   手帳に書いたということを覚えていて、毎朝手帳を確認する癖をつければ、リマインダも不要。

   自分の仕事上で本当に重要なことは、個別に電話かメールでやり取りし、実際に会って話します。

   原稿は、どうせ座って落ち着かないと書けないタイプなので、ドリンクが飲めてタバコも吸えるマン喫に行きますし、ウェブメールとニュースサイトを定期的にチェックできれば、そんなに問題はありません。

「ケータイに欲しいのは、録音機能。マイクが付いてるんだし、録音できたらいつでも取材ができるから。あんまり、ごちゃごちゃ持ち歩きたくないんだよね」

   そう話すと、彼は「仕事によって、モバイル機器やコンテンツに求めるものも、ずいぶん違うんだな」とつぶやきつつ、キーボードを呼び出してiPadにメモってました。

井上トシユキ


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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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