会社組織には、仕事を円滑に進めるための序列がつきもの。しかし中には、いつのまにか合理的とはいえない序列が生まれ、引き継がれている会社もある。人間集団の宿命だろうか。ネット上に匿名で書き込まれた「奇妙な序列」を集めてみた。
ハンドベルで事務員を呼びつける所長
A社では、朝出勤したらヒラの部員は、役職があるわけでもない「お局さま」に必ずあいさつしにいくことになっている。終業後は彼女より先に帰ってはならず、もしも退出の鍵を閉めさせてしまったら、次の日は全員揃ってお詫びに行かなければならない。
B社では、朝出勤したら事務所で飼われている「犬」に必ずあいさつしなければならない。もし忘れると、朝礼で吊るし上げにあってしまうという。「礼儀がなってない」と叱られたりするのだろうか。
C社の事務所長は、デスクの右側に「ミ」の音のハンドベルを置いている。それをランと鳴らされたら、事務員は、
「コーヒーにしますか、お茶にしますか?」
と訊き、言われた方を淹れに行く。
所長と事務員のデスクは2メートルしか離れていない。予備用なのか、キャビネットには「レ」の音のハンドベルも。犬にも劣る扱いではないか。
「前の事務員さんのときから、こうだったみたいです。名前を呼びたくないのかなぁと思ったりします」
D社の女性社員は、お化粧は絶対禁止、下着の色は白かベージュに決められている。23歳未満は異性との交際禁止。彼氏がバレたら、減給および反省文提出が待っている。
結婚するためには、相手の男性を社長に会わせて許可を得る必要がある。・・・もしもこれが実在する会社の話なら、社長は親以上の権力者だ。
休憩室を出るときは「正社員サマが最初に」
Eさんが3番目に転職した一流商社では、年長者は若い人より上等な時計や車を持つのが慣例となっていた。課長クラスでは、金無垢ロレックスにベンツ。部長クラスに昇格すれば、さらに上の超高級ブランドを購入する。
社員同士で顔を合わせると、スーツの布地を触りあって品定め。話題は、投資で大もうけしたとか、高級住宅地に不動産を買ったとか、出身校の名門自慢とか。
「最高級を知らないと価値判断ができない、という考え方みたいで。知らずに中途入社したワタシは結構あせりました」
Fさんが某有名高層ビルで、エレベーターガールをしていた時のこと。従業員女性の通勤バッグに暗黙のルールがあった。正社員はシャネル、契約社員はヴィトンまでOK。アルバイトはノーブランド品と決まっていた。
休憩室から出るときも、正社員サマが最初。バイトが扉を押さえ、契約社員が出た後に出る。休憩室でも、正社員はソファ、契約社員は折りたたみ椅子。バイトは椅子にも座らせてもらえなかったという。
こういう嫌らしい序列を決めるのは、頂点にいる正社員なのだろうか。意外と自分のポジションを守りたい契約社員あたりが、積極的に関与しているのかもしれない。