ケータイ向けのコンテンツ開発を行っている、あるIT関係者と話していたときのこと。
「高校生とか、若い連中がケータイで一番困ってることって、何だか知ってる?」
と訊ねられました。答えは、電池の保ちだそうです。
契約は2年縛り、電池は寿命1年の不可解
メールに通話、着メロ、楽曲再生、ワンセグ、カメラ、ゲームと、最近のガラケー(ガラパゴス化した高機能な日本のケータイ)とその使い方には、電池消費の要素に事欠きません。
ケータイコミックなんて、アダルトやバイオレントな場面になると、自動的にバイブレーターが作動する専用アプリを使っていたりしますし。
「GPSを切るとか、省エネ設定にするとか、細かくやれば保ちも少しは違ってくるんだけどね。買ってすぐ、そのまま使い続ける人が多いから」
1000円ぐらいで売っている簡易充電器も、見た目はカッコ良くなりましたが、使い物にならなくなるのは相変わらず早い。
予備の電池パックは高いし、そもそも予備にだって充電しておかなくてはいけない。だったら、気がついた時に細かく充電しておくようにすれば、予備なんてはじめから要らない。
とはいえ、買ってから1年もすれば、電池の減りは目に見えて速まってきます。
現在の電池は、だいたい400回の充電で寿命がくるようになっているそうで、毎日帰宅後などに充電していると、1年ほどで寿命になるという理屈だとか。
使い方が悪いのだと言われそうですが、それでも、買う時に2年縛りの契約をさせられて、電池が1年で寿命というのは、何だか納得感に欠けます。
喫茶店のコンセントに「使用禁止」の貼り紙
そんなことを話しつつ、あるチェーンのコーヒー店に入りました。
なんとはなしに店内を見渡すと、柱に付いているコンセントの上に紙が貼られ、「使用禁止」と大書きされています。
やはりケータイの充電か、と思って店員さんに訊いてみたら、案の定でした。
「店内に掃除機をかける時などに使っていたんですが、勝手にケータイやデジタルプレーヤの充電をしちゃうお客様が目に余ってきたものですから…」
勝手に他所様のコンセントを使って充電してしまうのは、電気の窃盗にあたりますから、店側が「防犯」対策を行うのは当然っちゃ当然のこと。
こうなってくると、電池の消費が遅いことが、ケータイやスマートフォンの端末の人気、ひいてはコンテンツやサービスの人気を大きく左右する気もしますが、どんなもんでしょうか。
井上トシユキ